研究概要 |
1、誘目性の低下に最適な条件の検討を行った。 小型カメラで健側(右側)の眼球と眼瞼を撮影し、顔面全体の像と重ねて眼球周囲を含む範囲に小型ディスプレー上にその映像を映写する。小型ディスプレー上の映像は以下の条件で映写し、これを約40名の観察者に観察させ、欠損部(左側)の映像の誘目性を検討した。 (1)左眼は本人の左眼に枠を設定しただけ。(2)左眼は本人の左眼で、瞬きは右眼と同調してない。(3)左眼は本人の右眼で瞬きは同調している。(4)左眼は本人の左眼で視線が合っていない、瞬きも同調してない。(5)左眼は他人の左眼で瞬きが同調しない。(6)左眼は本人の左眼で、瞬きしない。(7)左眼は本人の左眼で、瞬きせず、視線が合っていない。(8)左眼は他人の左眼で、瞬きしない。 その結果、被験者の付けた最も良かった順位は動画1が1位、動画2が2位動画4が3位、動画5,6が4位動画3が6位、動画7が7位、動画8が8位であった。人間の顔貌として表情が許容できるかとの問いにたいしては、50%以上の被験者が許容できると答えたのは、動画1の100%、動画6の78%、動画2の70.7%のみであった。その他の動画は、46,3%から31.4%に分布しており半数以上の被験者が許容出来ないと判断していた。すなわち、左右の眼が同調して動き、眼瞼の形態が正確に再現されたエピテーゼ、眼瞼は動かないが、形態が正確に再現されたエピテーゼであれば、周囲の人からはあまり違和感がなく受容された。 2、超小型電動モーターを用いた機械駆動式のエピテーゼの試作品を、さらに高度な装置に作り上げる為、小型のテレビカメラと受像機を購入してディスプレー式の瞬きをするエピテーゼをを試作した。
|