研究概要 |
1、誘目性の低下に最適な条件の検討 顔面欠損の修復法には再建手術と顔面補綴,すなわちエピテーゼがある.エピテーゼは顔面形態の精致な再現が可能であるが,動かないために表情の変化に追随できず,患者の完全な満足を得ることは難しい.そこでエピテーゼにまばたき機能を付与することにより,自然感が改善するかを検討した.さらにエピテーゼの眼が健側のまばたきに同調して動かす方法を検討した. エピテーゼ装用を想定した8種類の顔の画像を製作し,41名の被験者に画像を見せ,Visual Analog Scaleで各画像の自然感の評価を行ってもらい,さらに自然感の順位,その画像の顔が人の顔として受容できるかを評価させた.画像01~05はまばたきをするエピテーゼを想定したもの,画像06~08は動かないエピテーゼを想定したものである. その結果、健側の眼と視線が合いまばたきが同調していた画像が自然観,その順位,および人の顔としての受容で最も高い評価を受けた.次いで,形態は良好で視線が合っているがまばたきが健側と同調しない画像と,まばたきはしないが視線が合っていて形態も良好な画像が高い評価を受けた.また受容の点では画像まばたきしない画像よりまばたきするが健側に同調しない画像が上回っていた. 2、健側のまばたきを再現する方法の開発、試作。 健側のまばたきを赤外線の照射で探知し,エピテーゼの眼瞼を動かす方法を開発した. 現在、健側の眼と同調してまばたきをするエピテーゼのプロトタイプの完成に至った。
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