研究分担者 |
佐々木 啓一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30178644)
依田 信裕 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (20451601)
小川 徹 東北大学, 病院, 講師 (50372321)
重光 竜二 東北大学, 病院, 医員 (00508921)
末永 華子 東北大学, 病院, 医員 (00508939)
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研究概要 |
固定性インプラント補綴治療の良好な予後を得るためには,機能時に支台インプラントに加わる荷重の大きさ,方向を考慮した設計を行うことが重要である.本研究は,最大随意咬みしめ時(以下,MVC),ならびに咀嚼を想定したワックス咬みしめ時(以下,WAX),固定性上部構造の支台インプラントに加わる荷重を生体内測定することにより,機能時にインプラントに加わる荷重動態を解明し,固定性インプラント補綴治療における埋入位置の決定や上部構造の設計に関する生体力学的なエビデンスの構築に資することを目的した. 小型水晶圧電式センサをフィクスチャー上にスクリュー固定し,その外側に実験用上部構造を設置した荷重測定システムを開発し,生体内における機能時に支台インプラントに加わる荷重を測定した.被験者は3名,被験インプラントは被験者1名が中間欠損の連続した大臼歯・小臼歯部の2本,1名が小臼歯部1本,他の1名が最後方となる大臼歯部1本の計4本である. 最大荷重量は,小臼歯部に比較して大臼歯部のインプラント荷重が大きい傾向がみられ,中間欠損部の大臼歯部を除き,他のインプラントではMVCと比較してWAXで有意に大きかった.最大荷重の側方成分は,中間欠損の小臼歯部ではWAXと比較してMVCで有意に大きかったが,他ではMVCと比較してWAXで有意に大きかった.荷重方向の変化量についても,中間欠損の小臼歯部ではWAXと比較してMVCで有意に大きく,他ではMVCと比較してWAXで有意に大きかった.最大荷重の方向は,小臼歯部では左右方向に有意が異なり,中間欠損部の大臼歯部では両タスク間に有意差は認められず,最後方の大臼歯で前後方向にて有意差が認められた. また,2歯連続したインプラント補綴の場合,MVCにおいては上部構造を単冠にした場合に比較して,連結した場合に有意に荷重分散効果が認められた.
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