研究課題/領域番号 |
21592491
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
藤原 久子 鶴見大学, 歯学部, 助教 (80396746)
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研究分担者 |
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (30344451)
飯野 光喜 山形大学, 医学部附属病院, 教授 (50212717)
近津 大地 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30343122)
藤原 夕子 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (50466744)
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キーワード | 再生医療 / ノックアウトマウス / ポリADP-リボース合成酵素 / 象牙芽細胞 / 歯髄 |
研究概要 |
申請者らのこれまでの解析から、Poly(ADP-ribose)polymerase-1(Parp-1)遺伝子ノックアウトマウスでは、老化に伴い歯根形態の異常、象牙芽細胞・セメント芽細胞の配列不正、髄腔内の象牙芽粒などの歯牙異常を認めることが明らかとなった。本研究において同マウスの歯牙や歯周組織における遺伝子発現の網羅的検索を行うことにより、歯牙構造の形成・維持に関与する因子を同定することを目標にしている。 まず本研究において、老化したParp-1^<-/->マウスに認められた歯牙形態異常や形成不全に着目し、三次元的な構造変化について精査を行った。方法:80週令、オスのParp-1^<+/+>マウスおよびParp-1^<-/->マウスに対し、マイクロCT撮影を行った。マウスはすべてオス、Parp-1の遺伝子型それぞれにおいて3匹ずつの解析を行った。CT装置はヤマト科学のTDM1000、断層間隔は9.6μmで行った。解析ソフトはラトック社の3D骨梁構造計測ソフトTRI/3D-BONを用い、解析画像解像度は19.2μm、マトリックスサイズは521x521x521とした。結果:歯牙における歯髄組織の占有する容積割合は、Parp-1^<+/+>では23.4±3.05%、Parp-1^<+/->では23.4±1.54%、Parp-1^<-/->では29.32±12.1%であり、統計学的有意差は認められなかった。しかし、歯牙内における歯髄の形態変化は顕著であった。Parp-1^<+/+>およびParp-1^<+/->マウスにおいては歯髄の形態の変化は認められなかったが、Parp-1^<-/->マウスの歯牙では、内部は数本の細い歯髄が形成されていた。考察:今回の結果よりParp-1および老化の2つの因子が加わることにより、歯牙内部の形態保持能力が破綻することが示唆された。
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