研究概要 |
昨年度の研究で,窒化ホウ素(BN),窒化アルミニウム(AIN),黒鉛(C)から骨材として選択されたBN粉末に,硬質石膏を結合材として加え,鋳型材を調合した.石膏は5~45重量%まで5%きざみで混合し,9種類の鋳型材を試作した.石膏の混合比率が5,15,25,35,45%の鋳型材についてそれぞれ,混水比を0.2~0.4まで変化させて練和した. 練和の操作性については,混水比が小さい場合は若干湿った粉末の状態になるだけであり,練和は不可能であった。これは水が少なすぎるためと考えられた.混水比を大きくした場合は,1分以上練和しても粉末と水が分離した状態が見られ,一般的なスラリー状にすることは不可能であった.これらの練和物に対して,ビカー針による硬化時間の測定を行ってみたが,いずれも硬化状態となることはなかった.これらの結果はBN粉末が細かすぎて比表面積が大きかったために,硬質石膏が結合材としての役目を果たせなかったことが大きな要因と考えられ,粒径の大きな(比表面積の小さな)BN粉末で試験してみることが必要と思われた.また,BN粉末に撥水性があることも関係していると思われたことから,界面活性剤を添加して練和することも検討してみる価値がある. また,次年度のための予備的実験として,真空練和器のボール内面と練和羽根,およびスパチュラに付着した水滴の振りきり操作による減少について調べたところ,石膏系埋没材の混水比におよぼす影響が無視できる程度に小さくなることがわかった.
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