研究概要 |
一般的に、インプラント体は第一スレッド付近まで約1.5mm程度低下するとされている.その原因のひとつとして、機能時に加わる咬合力はインプラント頸部周囲骨に応力の集中を引き起こし、その結果として周囲骨レベルが低下するものという考えがある。 これまでインプラント周囲の応力解析がなされてきたが,多くの研究では皮質骨および海綿骨の弾性係数はことなるが一様の物質としてみなされており、骨梁構造を考慮した研究は認められない。 そこで、我々はインプラントの応力解析に骨梁モデルを用い、さらに波の伝播シミュレーションモデルを用いることで、咀嚼時の衝撃により負荷がどのように伝播されるかについて注目した本研究の目的は,骨の細線化モデルを作成し、インプラント周囲において刺激がどのように伝播するかをシミュレーションすることにより、インプラント頸部の骨吸収に関する新たな知見を獲得することである。 X線3D-CT(SMX225CT,島津製作所)にて撮像し,VGスタジオMAX1.2(ボリュームグラフィックス)にてSTLデータに変換した.また牛骨をCT撮影して得られたDICOMデータを用いた.これらのデータをメカニカルファインダーver.6.0(計算力学研究センター)に取り込み,三次元有限要素モデルを作成した.これらのモデルの歯冠部に200Ncmの荷重を負荷し,インプラント体,アバットメント,インプラント頚部周囲骨に加わる応力の解析を行った.その結果,インプラント体,アバットメント,インプラント頚部周囲骨に加わる応力の解析を行った.その結果,骨梁モデルにおいても,応力の集中はインプラント体とアバットメントのジョイント部からインプラント体の歯冠側約半分までの周囲に生じた.
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