• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

生体材料表面のバイオフィルムを構成する多糖ゲルの物性とクオラムセンシングの抑制

研究課題

研究課題/領域番号 21592499
研究機関岩手医科大学

研究代表者

根津 尚史  岩手医科大学, 歯学部, 講師 (40264056)

キーワード生体材料 / バイオフィルム / 微生物 / 情報伝達 / 高分子構造・物性
研究概要

初年度となる平成21年度は以下の成果を得た。
1. 固体表面へのヒアルロン酸の吸着の解析
水晶発振子マイクロバランス(QCM)を用いて、種々の固体表面へのヒアルロン酸(HyA)の吸着特性を調べた。その結果、HyAは金、酸化チタン、アパタイトなどの表面には吸着しにくいことがわかった。一方、それぞれの基板にコラーゲンの様な別物質を吸着させて(=一次吸着)、その表面にHyAを作用させると吸着の起こることが見出された(=二次吸着)。吸着に伴うエネルギー消散の増加の程度から、同じ線状分子構造であっても、HyAの吸着層はコラーゲンの様なタンパク質に比べ比較的「硬い」ことが示唆された。多糖であるHyAは分子構造の特徴としてタンパク質に比べ持続長が長いことから、吸着層が相対的に硬いと解釈されるQCMの結果は合理的である。正に帯電した表面に対してHyAは直接吸着(=一次吸着)すると予想されるので、次年度にこれを酸化物系固体表面について示す予定である。
2. 陽イオン性界面活性剤によるヒアルロン酸ゲルの硬化
抗菌性を有する2種類の陽イオン性界面活性剤、塩化セチルピリジニウム(CPC)と塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTAC)を、それぞれの臨界ミセル濃度(CMC)以上の濃度で0.01%HyA水溶液に添加すると、HyAは著しく凝集した。CPC、CTAC(正に帯電)とHyA(負に帯電)が静電的に結合した結果、逆ミセル状の会合体が形成され、水中で疎水的に凝集したと考えられた。すなわち、CPCやCTACはバイオフィルムを収縮させ、細菌の情報伝達物質(オートインデューサー)の拡散を阻害する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] バイオフィルム類似多糖吸着層の粘弾性-菌体外多糖層の壞れにくさの背景-2009

    • 著者名/発表者名
      根津尚史, 他4名
    • 学会等名
      第54回日本歯科理工学会学術講演会
    • 発表場所
      鹿児島市
    • 年月日
      2009-10-01
  • [学会発表] 球状および棒状タンパク質2成分系の吸着と吸着層の粘弾性2009

    • 著者名/発表者名
      根津尚史, 他1名
    • 学会等名
      第62回コロイドおよび界面化学討論会
    • 発表場所
      岡山市
    • 年月日
      2009-09-19
  • [学会発表] 塩基性抗菌物質の吸着を目指したアクリルレジンの調製2009

    • 著者名/発表者名
      根津尚史, 他4名
    • 学会等名
      平成21年度日本歯科理工学会北海道東北支部会夏期セミナー
    • 発表場所
      郡山市
    • 年月日
      2009-07-25

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi