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2011 年度 実績報告書

生体材料表面のバイオフィルムを構成する多糖ゲルの物性とクオラムセンシングの抑制

研究課題

研究課題/領域番号 21592499
研究機関岩手医科大学

研究代表者

根津 尚史  岩手医科大学, 歯学部, 講師 (40264056)

キーワード生体材料 / バイオフィルム / 微生物 / 情報伝達 / 高分子構造・物性
研究概要

平成23年度は
1.オートインデューサー類似の蛍光性化合物の合成
2.アパタイト表面のヒアルロン酸吸着層の粘弾性
3.ゲル様ヒアルロン酸中のDHLの拡散
を実施する計画であったが、蛍光化合物合成が計画どおり進行しなかった。そこで代替計画に従って色素型抗菌物質(アクリフラビン)のヒアルロン酸濃厚溶液(準ゲル)中の拡散分析を、紫外可視分光法により実施した(前年度の展開)。当計画の実験系では、色素拡散進行中のセルにおいて固定位置での色素濃度の経時的変化を計測し、実測量であるこの変化量dC/dtを拡散能と名づけた。一方、拡散方程式dC/dt=D(d^2C/dx^2)において、位置を固定して観測した場合は右辺の二次微分の項を定数とみなすと、同方程式はdC/dt=kD(kは定数)と簡略化される。これを実験系と対比すると、実験的に得られた拡散能は拡散係数と同等のものであることが示された。また、拡散物質であるアクリフラビンを半径aの球に近似すると、Stokes-Einsteinの式D=kt/6πηaから媒質の粘性が低いほどアクリフラビンの拡散が促進されることが示唆され、高温、界面活性剤添加(→ヒアルロン酸の凝集)といった因子により媒質の粘性が低下した場合に拡散能が高くなったという実験結果はこれと合致するものであった。アクリフラビンの代わりに蛍光性の合成オートインデューサーを用いて蛍光強度モニターを計画どおり行うと、格段に微量(低濃度)での拡散の計測が可能である。その場合は濃度変化率が小さくなるため拡散係数も低くなること、粘性の拡散への影響が一層強くなることが予想される。オートインデューサーはホルモン的微量でクオラムセンシングに働くとされており、微量蛍光分析で得られた拡散挙動はクオラムセンシングの実態を反映したものになるという見通しが得られた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Diffusion of an antimicrobial acriflavine through a concentrated solution of hyaluronic acid as a matrix component of biofilms2011

    • 著者名/発表者名
      Nezu T, Sasaki K, Saitoh S, Taira M
    • 学会等名
      International Dental Materials Congress 2011
    • 発表場所
      Seoul
    • 年月日
      20110000
  • [学会発表] バイオフィルム関連高分子マトリックス中の薬剤透過性の定量評価の試み2011

    • 著者名/発表者名
      根津尚史, 佐々木かおり, 齋藤設雄
    • 学会等名
      第58回日本歯科理工学会学術講演会
    • 発表場所
      郡山
    • 年月日
      20110000

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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