実験計画に従い、Ti-6Al-7Nb合金、Ti-15Mo-5Zr-3Al合金およびコントロールの純チタンについて、4.0mm×1.2mm×25mmの直方体形状の未処理合金試料を、ワイヤー加工およびバフ研磨により作製した。また、前年度に決定した試料表面処理条件、すなわち電解液は水57.2%+グリセリン35.7%+乳酸7.1%、対極は純チタン、電解電圧50Vの条件で、未処理合金試料の電解処理を実施した。 チタン合金と前装材の接合性評価法として曲げ試験を実施するため、新規格(ISO 6872:2008)に合わせた治具を作製し、Ti-6Al-7Nb合金、Ti-15Mo-5zr-3Al合金および第4種純チタンの未処理合金試料について試験を実施した。その結果、Ti-6Al-7Nb合金では2093MPa、Ti-15Mo-5Zr-3Al合金では1926 MPa、第4種純チタンでは1488MPaの曲げ強さを示し、曲げ弾性係数はそれぞれ、72.8GPa、66.3GPa、66.9GPaであった。この値は、引張試験等による既報のデータとの差異が認められるため、データ解析方法についての検討を進めている。 未処理および電解処理したTi-6Al-7Nb合金試料についてアノード分極試験を実施した結果、電解処理試料では腐食電位が上昇し、不動態保持電流密度が著しく減少しており、耐食性の向上が示された。また、前装材の硬化収縮を補償するための専用治具を作製し、チタン合金と前装材の複合化試料を試作した。
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