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2009 年度 実績報告書

歯髄細胞を用いた分化誘導因子を必要としない骨再生医療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21592515
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

山口 聰  東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 助教 (00280628)

キーワード再生医療 / 歯 / 骨 / 歯髄
研究概要

我々はこれまでにヒト歯髄細胞を再生医療に応用することを目指し研究を進めてきた。その研究過程において歯髄細胞の多分化能を検討する目的で、初代培養した歯髄細胞を細胞選択、分化誘導を行わずに、そのままハイドロキシアパタイトスキャフォールドに付着させ免疫不全マウスに移植したところ活発な骨組織形成が観察された。そこで本研究を遂行することに至り、研究初年度の平成21年度は同意の得られた患者10人の歯髄細胞を用いて実験を行った。10人全ての歯髄細胞は細胞選択、分化誘導を行わずともin vivoにてハイドロキシアパタイトスキャフォールド内に骨組織を形成した。免疫組織電顕により歯髄細胞により形成された骨組織にはヒトオステオカルシン、TypeIコラーゲンの発現が認められた。また、歯髄細胞による骨形成は歯の発生段階(根完成歯または根未完成歯)、細胞培養培地の種類、血清濃度には影響されず、いずれの場合にも骨形成が認められた。
これまでの骨再生医療研究では骨髄や脂肪組織などから細胞を表面マーカーなどにより選択し、その後にデキサメタゾンやBMPなどの分化誘導因子を用いて細胞を骨芽細胞に分化させていたが、今年度の我々の研究成果は歯髄細胞は細胞選択、分化誘導を必要とせずにin vivoにおいて骨を形成できることを示している。実際の再生医療の臨床応用を考えると安全性、簡便性は非常に重要な問題である。今年度の研究成果は従来の骨再生医療に比べより簡便で安全性の高い方法に発展すると考えられ、その意義は大きいと思われる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] In vivo bone formation by human dental pulp cells cultured without cell sorting and osteogenic differentiation induction.2009

    • 著者名/発表者名
      濱田啓一, 山口聰, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Oral Tissue Engineering 7(1)

      ページ: 15-25

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Amphiregulin induces proliferative activities in osseous dysplasia.2009

    • 著者名/発表者名
      Shigeishi H., Yamaguchi S., et al.
    • 雑誌名

      Journal of Dental Research 88(6)

      ページ: 563-568

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 放射線による歯根形成阻害メカニズム2009

    • 著者名/発表者名
      阿部成宏、山口聰、濱田啓一, 他
    • 雑誌名

      放射線生物研究 44(4)

      ページ: 460-471

    • 査読あり
  • [学会発表] ヒト根未完成歯根尖部歯髄組織由来細胞は神経堤幹細胞様の性質を持つ2009

    • 著者名/発表者名
      山口聰, 阿部成宏, 濱田啓一, 他
    • 学会等名
      第46回日本口腔組織培養学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-12-05
  • [学会発表] ヒト歯髄細胞を用いた骨再生医療におけるβ-TCPの有用性2009

    • 著者名/発表者名
      濱田啓一、山口聰、天笠光雄
    • 学会等名
      第54回日本口腔外科学会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2009-10-10

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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