研究課題/領域番号 |
21592518
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
齊藤 力 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80103357)
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研究分担者 |
小林 正治 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (80195792)
高田 佳之 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40313548)
泉 直也 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (10361908)
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キーワード | 睡眠時無呼吸症候群 / 上下顎前方移動術 / 顎骨形態 / 気道形態 / 睡眠検査 |
研究概要 |
近年、睡眠中に上気道が狭窄もしくは閉塞することにより高度ないびきと無呼吸を認める睡眠呼吸障害と顎顔面形態との関連性が注目されている。本研究では、顎矯正手術施行患者の術前後に撮影したコンビームCTから顎骨形態や咽頭気道形態の三次元分析を行い、顎骨形態ならびに咽頭気道形態の変化と術前後の睡眠呼吸動態との関連性について検討するとともに、睡眠呼吸障害患者に対する下顎前方位型口腔内装置の治療効果と顎顔面形態との関連性を検討し、睡眠呼吸障害患者に対する上下顎移動術の適用基準を明らかにすることを目的とする。 本研究への参加の同意が得られた顎矯正手術によって顎骨移動を行う患者を対象とし、平成23年度までに、46例(男性:14例女性32例)に対して術前と術後6か月時に頭位の再現性に配慮した顎顔面のコンビームCT撮影ならびに睡眠評価装置(パルスリープLS-120、フクダ電子株式会社)を用いた簡易型睡眠ポリグラフ検査を施行した。顎骨形態ならびに咽頭気道形態は、コンビームCTのDICOMデータを三次元画像処理ソフトウェアINTAGE Realia、OsiriX ver.3.5.1を用いて、三次元的評価を行っている。また簡易型睡眠ポリグラフ検査からは、睡眠時無呼吸低換気指数(AHI)ならびに最低血中酸素飽和度、血中酸素飽和度が90%未満に低下した時間帯の比率を表すCT90を用いて睡眠呼吸動態を評価している。 さらに、下顎前方位型口腔内装置(OA)を用いて治療を行った睡眠呼吸障害患者89名について、OA治療前後に施行した終夜睡眠ポリソムノグラフィ検査結果から、OA装着後のAHIが15回/h未満かつOA未装着時AHIの50%以下になった場合を有効と判定し、OAの治療効果と頭部X線規格写真分析による顎顔面形態との関連性を検討したところ、下顔面高ならびに上顎骨の大きさと治療効果との関連を認めた。 今後、さらに症例を増やし、顎矯正手術に伴う顎骨形態ならびに咽頭気道形態の変化と睡眠呼吸動態との関連性を明らかにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究対象となる症例の資料を収集しているが、統計的な解析が可能な例数が集まってきている。
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今後の研究の推進方策 |
今後、さらに症例を追加して、顎矯正手術に伴う顎骨形態ならびに咽頭気道形態の変化と術前後の睡眠呼吸動態との関連性を解析するとともに、睡眠呼吸障害患者に対する下顎前方位型口腔内装置の治療効果と顎顔面形態との関連性を検討し、睡眠呼吸障害患者に対する上下顎移動術の適用基準を明らかにしたいと考えている。
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