研究課題/領域番号 |
21592534
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
松井 義郎 香川大学, 医学部, 教授 (10181687)
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研究分担者 |
藤内 祝 横浜市立大学, 医学部, 教授 (50172127)
廣田 誠 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (20347305)
党 建武 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (80334796)
小谷 一孔 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (20225452)
岩井 俊憲 横浜市立大学, 大学病院, 診療指導医 (00468191)
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キーワード | 口腔外科手術 / 3次元触覚インターフェイス / バーチャルリアリティ / 内視鏡 |
研究概要 |
H22年度までにバーチャルリアリティ(以下VR)内視鏡支援下口腔外科手術訓練システムのプロトタイプが完成した。H23年度は完成したVRプロトタイプ訓練システムを被験者に操作させ、実際の手術における技術力向上を確認するための評価実験を行った。 第一に、口腔外科医2名を対象にVRプロトタイプ訓練システムを用いて反復訓練を行い、組織の剥離から血管の挙上までに要する操作時間、操作の正確性、デバイスの使用レベルを評価した。その結果、操作時間とデバイス使用レベルにおいて7回以上の反復訓練を行うことにより、統計学的に有意な操作技術の向上が認められた。この結果を基に「VRプロトタイプ訓練システムを7回以上繰り返し訓練することにより、実際の手術手技が速やかに行われ、ペアン鉗子の操作性が向上する」との仮説を立案した。 次に、仮説に基づいた訓練を行い、実際の手術技術向上について評価した。VR訓練前後の技術力評価は、当初ミニブタを使用する予定であったが、より多くの被験者を対象に評価実験を行うため、今回は血管と結合組織を内蔵した外科手術手技訓練専用パッドを使用した。6名の被験者に対し模型を用いた血管剖出作業をモニター下で行わせ、剥離から血管挙上までに要した時間、また剥離挙上に要したストローク数をそれぞれ測定した。その後、3名はわれわれが独自に作製した訓練プログラムに従いVR訓練を行った。残りの3名は行わなかった。最後に全員が模型による血管剖出作業をモニター下で行い、技術力の変化について検討した。その結果、VR訓練を行ったものは、全員が操作時間の短縮を示し、また統計学的に有意なペアン操作回数の減少を認めた。より速やかに、少ない操作回数で訓練前と同様の操作を行うことが可能となった。この結果、われわれが開発したVRプロトタイプ訓練システムを用いることにより、有意に手術技術が向上することを証明することができた。
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