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2010 年度 実績報告書

光照射によるフェノール系抗酸化剤の癌細胞への影響

研究課題

研究課題/領域番号 21592537
研究機関明海大学

研究代表者

岡田 典久  明海大学, 歯学部, 講師 (40146220)

キーワード癌細胞 / 抗酸化剤 / 光照射 / フェノール
研究概要

歯科用可視光線光照射によりプロオキシダント化するフェノール類として、ユージノール以外にカレー粉のターメリックに含まれる黄色い色素成分のクルクミンや唐辛子の主成分であるカプサイシンがある。これらの化合物は、抗炎症作用やアポトーシス誘導活性を有し、抗がん作用があることが知られている。しかしながら口腔前癌病変の癌化予防、その他口腔病治療薬としての研究はないのが現状である。本研究では、オルトメトキシフェノール類であるクルクミンやプェノール性アルカロイドのカプサイシンのプロオキシダントとアンチオキシダント作用を光制御し、これらの化合物が正常細胞、癌細胞や口腔粘膜にいかなる影響を与えるか検討しphotodynamic therapyの臨床応用を図ることを目的とする。今年度は、これらの抗酸化抗力をdipheny lpicry lhydrazyl(DPPH)法で検討することを主に、また口腔粘膜への影響を検討するためマウス頬粘膜塗布による光照射の追実験を行い、HE染色とタネル染色で組織病理学的に評価し、以下の知見を得た。
1. DPPH法:50%ラジカル消去力(mM)を比較すると、クルクミン0.041mM、カプサイシン0.15mMであり、クルクミンの抗酸化力はカプサイシンより約4倍大きかった。
2. 組織病理学的所見:両者とも上皮層の細胞排列の乱れ、角化層の増生、顆粒層の顆粒細胞の増加、棘細胞層での核の扁平化を認めた。また、ともに作用時間と可視光線照射時間を長くすることにより、前述の変化が増加する傾向にあったが、カプサイシンで著明であった。そしてカプサイシンにおいてタネル陽性細胞が散見され、アポトーシス誘導活性がある可能性を認めた。そして、クルクミン可視光線系は組織中のミトコンドリアの融解を示した。
以上のことから両者の口腔粘膜塗布により、炎症が惹起されるが癌化した細胞を標的に殺傷することが窺われ、photodynamic therapyの臨床応用の可能性が示唆された。

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公開日: 2012-07-19  

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