研究課題/領域番号 |
21592539
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
平場 久雄 日本大学, 歯学部, 専任講師 (00156689)
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研究分担者 |
山岡 大 日本大学, 歯学部, 専任講師 (60182408)
藤原 忠夫 日本大学, 歯学部, 教授 (40096897)
植田 耕一郎 日本大学, 歯学部, 教授 (80313518)
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キーワード | 振動刺激装置 / 顔面皮膚上刺激 / 前頭葉 / 脳血流変化 / 唾液分泌促進効果 / 安静状態 |
研究概要 |
現在臨床で盛んに行われている刺激療法をより科学的に立証するために、本年度は唾液分泌促進効果を示す適切な振動数の検索、そのときの前頭葉脳血流変化を調べた。振動装置は89Hzと114Hzで共にモーター1個と2個の場合(振幅で言うと1個の場合が1.9μm、2個の場合が3.5μmです)で、より効果的に唾液分泌が促進できる周波数と振幅を調べた。その結果、89Hzでモーター1個使用(振幅は2個に比べて弱い)が耳下腺部および顎下腺部の振動で最も効果的な唾液分泌促進効果を示した。さらに、その時の前頭葉脳血流変化を調べると、最も効果的に唾液分泌促進効果を示した89Hzでモーター1個(振幅1.9μm)の時、脳血流はほとんど基線上にあり、最も活動を示さないことが判明した。 このことは、唾液分泌促進効果を示す振動数は89Hzで振幅はモーター1個(振幅1.9μm)が良く、この時に前頭葉の脳血流量がほとんど変化しないことは、この振動数と振幅での刺激が最も効率よく副交感神経を刺激しているのではないかと推察された。また、反対に考えれば、この振動数と振幅を外すことにより唾液分泌は促進されないが、脳血流量は変化すると言えるかもしれない。しかし、前頭葉を活性化する適切な振動数と振幅については現在のところ解明できてはいない。 このことから、この振動数と振幅は被験者(あるいは患者さん)に対し、安静状態を作り出し、なおかつ唾液分泌も促進されるという効果が判明したことになる。これらを基に、臨床応用への次のステップを考えたい。また、電気刺激に対しても次年度から研究を進めていきたい。
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