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2010 年度 実績報告書

長期の交感神経刺激が及ぼす唾液分泌低下の機序解明とヒューマンセンシングへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 21592542
研究機関鎌倉女子大学

研究代表者

吉野 陽子  鎌倉女子大学, 家政学部, 講師 (70298248)

研究分担者 中川 洋一  鶴見大学, 歯学部, 講師 (90148057)
キーワード慢性ストレス / 唾液分泌 / 交感神経刺激 / 唾液タンパク / カリクレイン / ERK1/2 / リン酸化 / αアドレナリン受容体
研究概要

平成22年度において、慢性ストレスのモデルとして交感神経受容体のアゴニストであるフェニレフリン(α_1アドレナリン受容体刺激薬)を長期投与する系(1日2回5日間腹腔投与)を考案した。マウスにフェニレフリン(PHE群)を投与すると、唾液分泌量は変化しないが、唾液タンパクの分泌量に変化が生じる。また、タンパクのうち、カリクレイン活性の有意な低下がみられる。これは、慢性ストレスで見られる現象と似ている(Yoshino Y,et al,2009)。
二次元電気泳動により2群間で差異のあるタンパクを同定した結果、カリクレイン22(mk22)とレニン2(Ren2)がPHE群で減少していた。そこで、長期のα_1アドレナリン受容体刺激による唾液タンパクとカリクレイン分泌抑制が生じるメカニズムについて検討した。顎下腺におけるmk22とRen2のmRNA量をリアルタイムPCRで調べた結果有意な差は認められなかった。このことから唾液タンパク分泌の減少は、タンパク合成能の低下ではなく、分泌能の低下と推察された。そこで次に、細胞分化・増殖に関わるリン酸化酵素であるExtracellular signal-regulated Kinase(ERK1/2)に着目し、リン酸化特異的認識抗体であるp44/42ERKとPhospoh-p44/42ERKを用いて、顎下腺と耳下腺におけるタンパク分泌の影響を調べた。その結果、耳下腺ではPHE群のリン酸化が増大していたのに対して、顎下腺では低下していた。このことから、細胞内情報伝達の障害が唾液タンパク分泌抑制に影響を及ぼしているものと推察された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Salivary 8-OHdG Induction by Physical Exercise Training Under Food Restriction2011

    • 著者名/発表者名
      Yoko Yoshino, Yoichi Nakagawa
    • 雑誌名

      The Open Dentistry Journal

      巻: Vol.5 ページ: 48-51

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ドライマウス(1)口が乾くのはなぜだろう?2010

    • 著者名/発表者名
      中川洋一、吉野陽子
    • 雑誌名

      臨床栄養

      巻: 117(2) ページ: 106-7

  • [雑誌論文] ドライマウス(2)検査・診断と対処法2010

    • 著者名/発表者名
      中川洋一、吉野陽子
    • 雑誌名

      臨床栄養

      巻: 117(2) ページ: 106-7

  • [学会発表] 長期フェニレフリン刺激によるタンパクとカリクレイン分泌の抑制機構2011

    • 著者名/発表者名
      吉野陽子、今村武浩、山近重生、前田伸子、中川洋一
    • 学会等名
      第65回日本口腔科学会学術集会
    • 発表場所
      タワーホール船堀
    • 年月日
      2011-04-21
  • [図書] スタンダード人間栄養学「第14章 高齢期の栄養管理 執筆」-応用栄養学-2010

    • 著者名/発表者名
      五明紀春、渡邉早苗、山田哲雄、吉野陽子
    • 総ページ数
      115-123
    • 出版者
      朝倉書店

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公開日: 2012-07-19  

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