研究概要 |
口腔癌細胞株(HSC2、HSC3、HSC4)を用いて、タキソテール(TXT)、シスプラチン(CDDP)耐性株を作成中であり、5-フルオロウラシル(5-FU)耐性株に比べて耐性になりやすい傾向にあり、5-FU 5μg/mlまで、TXT 80ng/mlまで、CDDP 5μg/mlまで耐性を示すHSC2/FU、HSC3/FU、HSC4/FU、HSC2/TXT、HSC3/TXT、HSC4/TXT、HSC2/CDDP、HSC3/CDDP、HSC4/CDDPを作成できた。さらに5~10倍濃度まで耐性を示す耐性株を作成しているところである。次に同じ口腔癌細胞株(HSC2,HSC3,HSC4)を用いて、放射線を2Gyから徐々に線量を上げながら継代培養を続けることで8Gyの放射線量に耐性を示しており、20Gy以上に耐性を示すような放射線耐性口腔癌細胞株(HSC2/RT,HSC3/RT,HSC4/RT)の作製を行っているが、8Gy以上の放射線照射に対しては耐性を示しにくい状況である。また、HSC3は放射線感受性が高く、HSC4は放射線感受性が低く、HSC2はさらに放射線感受性が低いことを確認しているので、HSC2ならびにHSC4を放射線耐性口腔癌細胞株とし、HSC3を放射線感受性口腔癌細胞株として、以降の研究に用いることも検討中である。 また抗癌剤や放射線耐性口腔癌細胞株の作成は、本研究ではマイクロアレイ解析に加えパスウェイ解析とプロテオミクス解析を用いて、口腔癌細胞株と抗癌剤あるいは放射線耐性口腔癌細胞株間に特異的発現変動する遺伝子・蛋白を検索することにより、口腔癌に対する抗癌剤あるいは放射線の有用な効果予測因子の同定につながるものと考えられる。
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