研究概要 |
口腔癌細胞株(HSC2、HSC3、HSC4)を用いて、5-フルオロウラシル(5-FU)、タキソテール(TXT)、シスプラチンと(CDDP)耐性株を作成中であり、5-FU 5.5μg/mlまで、TXT95ng/mlまで、CDDP10.5μg/mlまで耐性を示すHSC2/FU、HSC3/FU、HSC4/FU、HSC2/TXT、HSC3/TXT、HSC4/TXT、HSC2/CDDP、HSC3/CDDP、HSC4/CDDPを作成できた。さらに高濃度まで耐性を示す耐性株を作成しているところである。ただしHSC3は次に同じ口腔癌細胞株(HSC2,HSC3,HSC4)を用いて、放射線を2Gyから徐々に線量を上げながら継代培養を続けることで9.5Gyの放射線量に耐性を示しており、20Gy以上に耐性を示すような放射線耐性口腔癌細胞株(HSC2/RT,HSC3/RT,HSC4/RT)の作製を行っているが、10Gy以上の放射線照射に対しては耐性を示しにくい状況である。また、HSC3は放射線感受性が高く、HSC2、HSC4は放射線感受性が低いことを確認できた。抗癌剤および放射線耐性口腔癌細胞株の作成後、マイクロアレイ解析に加えパスウェイ解析とプロテオミクス解析を用いて、口腔癌細胞株と抗癌剤あるいは放射線耐性口腔癌細胞株間に特異的発現変動する遺伝子・蛋白を検索することにより、口腔癌に対する抗癌剤あるいは放射線治療における臨床上有用な効果予測因子の同定につなげる予定である。
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