研究概要 |
平成21年度に引き続きサンプルを採取した。本学倫理委員会にて承認済みの内容について同意書をいただいた方を被検者とした。 I.顔貌サンプルの追加採取 (1)変形症(術前)群と健常群,顔貌サンプルの採取. 1.手術前の顎変形症患者,および健常者より,無表情,および7つの主要感情カテゴリーに関して感情の表出の顔貌を正貌,側貌,斜位の3方向からデジタルカメラにて同時撮影し同一表情の3方向の顔貌写真データを採取した. (2)前年度に引き続き術後6ヶ月を経過した患者から術後の顔貌写真データを同様の条件で取得した. II.顎変形症による表情変化の検討 (1)二次元心理空間へのマッピングによる表情の位置づけ. 1.前年度に引き続き,正貌写真を用いRussell & Bullockらの方法に基づき快-不快,覚醒度の評定による二次元心理空間にマッピングをおこなった. 2.健常群と顎変形症群の表情の位置づけに関して不一致である傾向が見られているが,有意差を示すにいたっていない。追加サンプルで検証する予定である。 III.側貌および斜位顔貌における表情識別に関する検討 斜位顔貌写真は正貌写真と同様の二次元マッピングは困難であった。確認のため23年度も追加検証をおこなう。 IV.術後の顔貌について21年度と同様にマッピングを行い治療による変化を検討した 1治療による顎骨の移動と表情変化の相関に関する検討:顎骨移動と表情変化に明らかな相関はみられない。 2治療による表情変化と健常群との近似性に関する検討:治療により健常群に近似してゆく傾向がみられた。 V.健常群と顎変形症群における,表情強度の比較 1無表情と各表情について,パーソナルコンピュータ上のモーフィングソフトウェア(morph)を用いた表情間移行顔貌を作成について条件設定を確定した。具体的検証は23年度に持ち越した。
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