研究課題/領域番号 |
21592575
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
里村 一人 鶴見大学, 歯学部, 教授 (80243715)
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研究分担者 |
服部 淳彦 東京医科歯科大学, 教養部, 教授 (70183910)
工藤 景子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (70380029)
徳山 麗子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20380090)
湯浅 哲也 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (70332822)
神谷 洋子 鶴見大学, 歯学部, 助教 (10460213)
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キーワード | メラトニン / 骨組織再生 / 骨折治癒 / 歯の再生 / メラトニン受容体 |
研究概要 |
ICRマウス(8週齢、雄性)の右側第8肋骨を外科的に骨折させ、骨折後1日目より4週間にわたり、種々の濃度のメラトニンの腹腔内投与を行った。投与開始から1、2、3、4週目に骨折部を含む肋骨を採取し、組織学的固定を行った後、骨折部の治癒の進行状況をマイクロCTにて検討した結果、少なくとも100mg/kg body weightの投与量においては、骨折部の治癒が約1週間促進されている傾向が認められた。また本実験において使用したマウスの体表、体重変化などには明らかな副作用はみられなかった。このことから、メラトニンはin vivoにおいて、骨折の治癒促進効果、すなわち骨組織の創傷治癒促進効果を有していることが強く示唆された。今後は、これまでの研究結果を踏まえ、メラトニンの骨折治癒促進機序につき詳細に検討するとともに、ヒトへの臨床応用を行う際の最適なメラトニン投与量を明らかにしていく。また、主要臓器(脳、心臓、肺、肝臓、膵臓、脾臓、小腸、骨髄)を回収し、何らかの異常所見の有無につき病理組織学的に詳細に検討することにより、骨再生促進効果を維持しながら副作用を生じない投与方法(1回投与量の変更、投与間隔の調整、1日投与回数の変更等)の確立を目指す予定である。 また、歯の再生医療へのメラトニンの有用性の確認を目指した研究において、ヒト、マウスおよびラットのエナメル芽細胞、象牙芽細胞がメラトニン受容体を発現していることが確認された。今後、歯の再生医療へのメラトニン応用の有用性について、さらに検討を加えていく予定である。
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