研究課題/領域番号 |
21592583
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
杉岡 伸悟 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (90278573)
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研究分担者 |
宮前 雅見 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (20298821)
小谷 順一郎 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (40109327)
堂前 尚親 大阪歯科大学, 歯学部, 名誉教授 (60115889)
金田 一弘 大阪歯科大学, 歯学部, 研究員 (90533886)
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キーワード | 口腔急性疼痛 / 心筋虚血再灌流障害 / リモートプレコンディショニング |
研究概要 |
口腔顔面痛を再現できるモデルは多く報告されているが、急性痛による全身への影響を念頭に置いたモデルについては提唱されていない。我々は、モルモット心筋虚血再灌流モデルを用いて、麻酔薬等の影響を検討してきたが、今回、モルモット口腔内電気刺激による侵害刺激が疼痛反応を惹起し得るか否かを検討する目的で、脳波変化ならびに三叉神経脊髄路核におけるphospho-extracellular signal-regulated kinase(pERK)発現を観察した。セボフルランにより麻酔した雄性成熟モルモットを用い、気管切開後にレスピレータを用いて人工呼吸を行った。静脈路を確保してベクロニウム持続投与下に左右頭頂部から脳波を導出し、連続記録した。侵害刺激として口腔底への電気刺激を選択し、generatorを使用して100Hz,5-10V,15minの刺激を与え、麻酔状態からの脳波覚醒変化をspectraledgefrequency95%(SEF95)を算出することで評価した。さらに、別モデルで2minのみ電気刺激を与えてから4%ホルマリン灌流固定を行った。モルモット三叉神経脊髄路角の連続切片を用いて、pERK免疫組織化学染色を行い、同部位での反応を光学顕微鏡で観察した。2%,4%セボフルラン麻酔状態のモルモットは、いずれも口腔底への電気侵害刺激によりSEF95の上昇を認め(P<0.05)、さらに2minの侵害刺激で三叉神経脊髄路核へのpERKの発現も観察された。電気刺激は炎症等を伴わない純粋な侵害刺激として捉えられているが、今回の結果からはモルモット急性口腔顔面痛モデルの作成が十分可能と考えられ、今後、同モデルを用いた全身への影響を検索できる可能性が示唆された。
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