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2011 年度 実績報告書

培養条件下における未分化維持機構の検索

研究課題

研究課題/領域番号 21592584
研究機関北海道大学

研究代表者

菊入 崇  北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (10322819)

研究分担者 吉村 義隆  北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (30230816)
キーワード乳歯歯髄由来幹細胞 / 未分化維持 / Wntシグナル
研究概要

抜歯された歯から採取された間葉系の幹細胞である乳歯歯髄由来幹細胞(SHED)は、骨細胞などへの分化能を有しており、顎骨の再生などの臨床応用が可能だと期待されている。一般的に幹細胞は継代培養を重ねると幹細胞自体の未分化状態が低下するため、継代培養を重ねた幹細胞は目的の組織への分化能力が低下することが知られている。そのため幹細胞を用いた再生医療の臨床応用には、幹細胞を未分化状態で維持し大量に培養する技術が必要となる。そこで本研究では、長期継代培養後のSHEDに対して幹細胞未分化維持因子を作用させ、未分化維持の効果について解析を行った。交換期のため抜去された乳歯の歯髄および歯根から酵素処理によって単離したSHEDを採取、酵素処理によって継代を繰り返した。培養初期細胞群および長期継代培養細胞群に対してそれぞれ、骨細胞および脂肪細胞への分化誘導を行ったところ、継代によって分化能が低下する事が明らかになった。一方、長期継代培養細胞群に対して、Wntシグナル伝達経路の構成因であるGSK-3のInhibitorを作用させ骨細胞および脂肪細胞への分化誘導を行ったところ、長期培養群においても培養初期細胞群と同様に分化能力を維持していることが判明した。また、誘導培養後の細胞におけるタンパク質発現について検索したところ、GSK-3 Inhibitor非作用群と作用群でβ-カテニンの発現量に有意差が確認された。また、長期培養群のSHEDおよびPDLSCsをマウスの腹部に移植し、移植体において形成された骨形成量を比較したところ、明らかにGSK-3 Inhibitorを作用させた群では非作用群に対して形成された、骨組織の量が増加していた。以上の結果から、GSK-3 Inhibitorは、SHEDにおいても未分化維持因子として作用している事が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Stage-dependent suppression of the formation of dentin-resorbing multinuclear cells with MIF in vitro2011

    • 著者名/発表者名
      Kikuiri T, Yoshimura Y, Tabata F, Hasegawa T, Nishihira J, Shirakawa T
    • 雑誌名

      Experimental and Therapeutic Medicine

      巻: 3 ページ: 37-43

    • DOI

      10.3892/etm.2011.362

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effect of the release from mechanical stress on osteoclastogenesis in RAW264.7 cells2011

    • 著者名/発表者名
      Shibata K, Yoshimura Y, Kikuiri T, Hasegawa T, Taniguchi Y, Deyama Y, Suzuki K, Iida J
    • 雑誌名

      Int J Mol Med

      巻: 28 ページ: 73-79

    • DOI

      10.3892/ijmm.2011.675.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Platinum nanoparticles suppress osteoclastogenesis through scavenging of reactive oxygen species produced in RAW264.7 cells2011

    • 著者名/発表者名
      Nomura M, Yoshimura Y, Kikuiri T, Hasegawa T, Taniguchi Y, Deyama Y, Koshiro K, Sano H, Suzuki K, Inoue N
    • 雑誌名

      J Pharmacol Sci

      巻: 117 ページ: 243-252

    • 査読あり
  • [学会発表] 間葉系幹細胞と造血系幹細胞の併用による骨組織再生の試み2011

    • 著者名/発表者名
      松野美乃、菊入崇、佐藤嘉晃、飯田順一郎、鈴木邦明
    • 学会等名
      第70回日本矯正歯科学会大会&第4回国際会議
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(名古屋市)
    • 年月日
      2011-10-17

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公開日: 2013-06-26  

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