研究課題/領域番号 |
21592586
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
清流 正弘 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (80510023)
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研究分担者 |
出口 徹 東北大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (30346457)
川木 晴美 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (70513670)
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キーワード | Runx2 / メカニカルストレス / 原子間力顕微鏡 |
研究概要 |
平成21年度に実施した研究として、まずRunx2^<(+/-)>ヘテロ欠損マウスおよび同腹の野生型マウスを用いて矯正的歯の移動を行い、タイムコースをとって組織切片の作成し詳細に組織学的解析を行なった。その結果、野生型マウスに比べてヘテロ欠損マウスでは歯の移動遅延および移動量に有意な差が認められた。また、圧迫側および牽引側で組織染色およびin situ hybridization法による骨リモデリングのマーカー発現の検討を行なったところ、ヘテロ欠損マウスではその発現のピークに遅延が認められた。 次に、メカニカルストレス(矯正力)に対するin vitroにおける解析を、上記マウスの細胞にメカニカルストレスをかけ、マイクロアレイやリアルタイムPCR法、ウエスタンブロット等分子生物学的手法により解析を行なった。その結果、野生型マウスおよびヘテロ欠損マウスともに骨分化マーカーの上昇が認められたが、ヘテロ欠損マウスでは骨分化マーカーの発現が野生型マウスに比べ有意に減少が認められた。このように本申請研究は、鎖骨頭蓋異形成症モデル動物であるRunx2^<(+/-)>ヘテロ欠損マウスを用いて実際に矯正的歯の移動を行い、Runx2のメカニカルストレス応答や骨リモデリングにおける機能を分子レベルで解明することにより、鎖骨頭蓋異形成症患者の抜歯窩の治癒遅延や歯の移動遅延に対応する効果的な治療法の開発、本症患者以外の過剰歯や埋伏歯の治療への応用など、歯科矯正臨床の発展に寄与することを目標としており、本研究の意義は極めて高いと考えられる。
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