本研究では、歯周組織再生を期待して広く用いられているエムドゲインの主成分であるアメロジェニンが、エストロゲン低下時にみられる骨代謝変化に影響をあたえるメカニズムを調べた。アメロジェニンスプライスアイソフォームの1つであるLRAPは、エストロゲン低下時にみられるIL-6、シクロオキシゲナーゼ2(COX2)、プロスタグランジンE_2(PGE_2)の産生上昇を抑制し、結果的に破骨細胞の形成を抑制する可能性が示唆された。また、一酸化窒素(NO)合成酵素(iNOSおよびeNOS)の発現を変化させ、結果としてNOの上昇させることで、エストロゲン低下時の骨密度低下を防止している可能性が示された。
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