研究課題
矯正治における歯の移動において重要なメカノセンサーとして考えられている骨細胞が形成する細胞性ネットワークの役割はいまだ解明されていない。そこで、我々はナノパターニング法を用いて、骨細胞ネットワークの形成を人為的に制御し、機械的刺激を受けた骨細胞の感受性の変化を検討することを目的に本研究を行った。今年度は、パターニングを行うための、装置の開発ならびにその装置により実際に細胞が配列するかどうかを検討した。まず、パターニングの鋳型を光重合樹脂を使用したフォトリソグラフィを用いて作成し、PDMSを流し込み、パターニングのためのスタンプを作成した。作成したスタンプには細胞接着基質であるフィプロネクチンを付着させ、細胞培養をおこなうガラスに印記した。骨細胞は、従来の我々の方法に従ってニワトリ胚より単離した。培養開始30分で細胞の付着を確認し、非特異的に接着する細胞は、洗い流した。そうすることによって、骨細胞のパターニングが確認でした。今回用意した細胞付着領域は、35マイクロメートル四方から、10マイクロメートル四方までのもので各領域はお互い35マイクロメートルの距離をおいて規則正しく整列させた。領域の大きさによって、細胞ネットワークの数は制御されていることが確認できた。しかしながら、一定してパターニングを得られるまで至っておらず、今後、非付着部位への細胞の接着をより強く制御する必要があると考えられる。
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