研究課題/領域番号 |
21592601
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
細矢 由美子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80112803)
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研究分担者 |
宮崎 真至 日本大学, 歯学部, 教授 (70239391)
井上 孝 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (20125008)
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キーワード | フッ化ジアミンシリケート / 脱灰乳歯 / 細管封鎖 / 再石灰化 / 齲蝕進行抑制 / 審美性 |
研究概要 |
[目的]:フッ化ジアミンシリケート溶液を人工脱灰乳歯(抜去健全乳歯)に塗布し、歯質変色の有無並びに塗布面の組織変化について分析し、本材の齲蝕抑制効果を観察した。 [方法]:<着色の有無>:乳前歯に象牙質に及ぶ窩洞を形成し、10%EDTA(pH=7.2)で90秒と35%正燐酸ゲルで60秒脱灰後に0.476mol/1フッ化ジアミンシリケート溶液(AHF)もしくは38%フッ化ジアンミン銀溶液(AgF)中に60秒浸漬した。カラーチップ付きの画像上の色の変化をコンピュータで解析した。<塗布面の組織変化>:乳臼歯もしくは乳犬歯の頬(唇)舌面あるいは咬合面を平坦に切削研磨し、辺縁にエナメル質を残して象牙質を露出させた。0.476mol/1 siF塗布の有無と人工唾液浸漬の有無により4群を設けた。AHF群では脱灰後に綿球でAHFを3分間すり込むように塗布し、人工唾液群では人工唾液(10mol,37℃)中に7日間浸漬した。人工唾液は24時間ごとに交換し、48時間ごとにAHFを塗布した。試料を半切し、走査電子顕微鏡(SEM)観察と塗布表面から5mm間隔に15mm下方までの歯に対するSEM/ED分析を行った。 [結果]:<着色の有無>:脱灰・AgFの歯は褐色に変色したが、脱灰・AHFでは肉眼的な変色は認められなかった。 <塗布面の組織変化>:SEM観察;人工唾液浸漬群では、AHF塗布エナメル質面は多量の球状粒子を含むゲル状の膜で覆われており、AHF塗布象牙質では、脱灰により開口した象牙細管の多くが球状の粒子により封鎖されていた。SEM/ED分析;1).エナメル質では、AHF塗布による齲蝕抑制効果は何ら観察されなかった。しかしながら、象牙質では、AHF塗布後に人工唾液に浸漬しなかった群のF%とCa/Pが、他の群と比較して有意に高かった。 [考察]:脱灰歯質に対するAHF塗布は、歯を変色させずに齲蝕の抑制と再石灰化を促す可能性が示唆されたが、確実な効果は観察されなかった。細菌感染により脱灰された歯質に対する齲蝕抑制効果と唾液や水分の影響についてさらなる観察が必要である.
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