研究課題
SHIP(Src homology 2-containing inositol-5-phosphatase=脂質脱リン酸化酵素)は発見当初免疫系に関する因子として紹介されたが、近年M-CSFとRANKLで誘導される破骨細胞前駆細胞の増殖において負に制御していることが報告された。我々がこれまで研究を続けてきたTNF-αは、炎症性の骨吸収に重要な働きをしていることから、SHIPがTNF-αの関わる破骨細胞分化、増殖、骨吸収機能過程に関わりがあるのではないかと考えた。今年度においてはこれまでのin vitro、in vivoにおける実験をさらに複数の条件で施行した。in vitroにおいてはSHIP+/+とSHIP-/-マウスの骨髄細胞をM-CSFとTNF-α存在下またはM-CSFとRANKL存在下で、それぞれ様々な濃度において培養し破骨細胞形成様相を比較した。これらの結果、SHIPはTNF-αの誘導する破骨細胞前駆細胞の増殖を負に制御していることを確認した。in vivoにおいては上顎左側第一臼歯に歯の移動装置を装着して近心移動し、上顎左側第一臼歯の近心移動量を計測してSHIP+/+とSHIP-/-マウスの違いを比較した。また、歯周組織を採取しパラフィン包埋後TRAP染色を施し観察を行った。これらの結果においても、SHIPはTNF-αの誘導する破骨細胞前駆細胞の増殖を負に制御していることを確認した。
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