研究課題/領域番号 |
21592608
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
永田 順子 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (50264429)
|
研究分担者 |
宮脇 正一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80295807)
乾 明夫 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80168418)
大牟禮 治人 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (00404484)
坂口 勝義 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (80381185)
|
キーワード | 胃食道逆流 / GERD / 食道内pH / 咬筋筋電図 / RMMA / 食道内酸刺激 / 睡眠時ブラキシズム |
研究概要 |
本研究では、胃食道逆流(GERD)や睡眠障害が睡眠時ブラキシズム(SB)の発現に及ぼす影響を調べることを目的とした。 1. 質問紙調査 一般集団から公募した20歳から85歳までの成人ボランティア501名を対象に質問紙調査を行い、SBや睡眠障害、精神健康度などがGERDのリスク要因となることが示唆された。 2. 内臓への実験的刺激がブラキシズムの発現に及ぼす影響 対象と方法:対象は健康な成人男性12名(平均24.2歳)を対象に、咬筋筋電図、食道内pH計測および睡眠ポリグラフ検査を4晩連続で行った。2晩目のデータをSBと睡眠障害の診断に使用し、3晩目と4晩目に酸性液(pH1.2 HCl)と生理食塩水を経鼻カテーテル経由で食道内に各晩3回以上注入した。酸と生理食塩水の順序は被験者に伝えずランダムに決定し、non-REM睡眠段階2で、1回あたり5mlを1分間で注入した。2回目以降の注入は前回の注入から20分以上経過し、食道内pHの上昇後に行った。各液体注入後20分間の食道内pH、咬筋筋電図バースト、RMMAエピソードおよび歯ぎしり音の頻度を比較した。 結果:2晩目のデータからSBや睡眠障害を呈する者はいなかった。酸性液と生理食塩水の注入で睡眠時間、睡眠効率、各睡眠段階の割合などの睡眠データに有意差を認めなかった。酸性液注入後の20分間で食道内のpHは有意に上昇し、生理食塩水に比べ微小覚醒、筋電図バースト、RMMAエピソードおよび歯ぎしり音の頻度が有意に高く、酸性液注入によるSBの発現頻度はSBの実験的診断基準を満たしていた。繰り返し刺激による影響については、1回目に比べ2回目と3回目の酸刺激後では筋電図バーストや歯ぎしり音の頻度が有意に高かった。 考察:食道内酸刺激がSBを引き起こし、回数を重ねるに従い反応が亢進することが示唆された。
|