研究課題/領域番号 |
21592608
|
研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
永田 順子 宮崎大学, 医学部, 講師 (50264429)
|
研究分担者 |
迫田 隅男 宮崎大学, 医学部, 教授 (20118079)
乾 明夫 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80168418)
井川 加織 宮崎大学, 医学部, 助教 (90423722)
宮脇 正一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80295807)
鹿嶋 光司 宮崎大学, 医学部, 講師 (30233703)
|
キーワード | 睡眠時ブラキシズム / 終夜睡眠ポリグラフ検査 / 微少覚醒 / 睡眠深度 / 心拍変動 / 周波数解析 / 咬筋活動 |
研究概要 |
睡眠時のブラキシズム(SB)と自律神経系、内分泌系反応との関連を調べるために、睡眠時ブラキシズムの臨床的診断基準に基づき、ブラキシズム患者(SB群)とブラキシズムのない健常者(健常群)各10名を対象に、終夜睡眠ポリグラフ検査装置を用いて睡眠時の脳波、心電図、呼吸圧、筋電図などのデータを採得し、心電図から心拍変動の周波数解析を行った。また睡眠前後の血液採取を行い、これらのデータを両群で比較検討した。 SB群では全員が研究用診断基準に基づく咬筋の筋活動バースト、ブラキシズムエピソードおよびブラキシズム音を示し、健常群ではブラキシズムを認めなかった。 SB群では健常群に比べて心拍変動のHF(高周波)パワーが有意に低く、LF/HF(低周波/高周波比)が有意に高かった。またSB群ではREM睡眠と深睡眠の比率が低かった。時系列でみると、SBイベント時には睡眠ステージが浅く微小覚醒を伴い、VLF(超低周波)とLF/HF比が高くなった。また、SB群では好中球、副腎皮質刺激ホルモン、コルチゾールおよびグレリン濃度が優意に高かった。また、SB群に抗うつ剤等の薬剤を投与することにより、SBの発現が抑制された。 以上から、SB群では副交感神経の活動が低下してバランスが崩れ交感神経活動が優位になり、睡眠深度が浅く微小覚醒の頻度が高いことが示された。また、抗うつ剤と自律神経調製剤がSB発現を抑制させることが示唆された。
|