研究概要 |
本研究は,ヒト歯周組織構成細胞を用いて,メカニカルストレスによる細胞内シグナル伝達機構の解明と,歯周病原因子である内毒素性リポ多糖(LPS)に対する細胞応答性や,この細胞受容体に加えられたメカニカルストレスの影響について調べた結果,一軸方向に伸展的なメカニカルストレスを加えられたヒト歯根膜細胞は, MAPKシグナリングカスケードを介して炎症性サイトカインを発現すること,歯周病原性因子による刺激を作用させた後に,同様のメカニカルストレスを加えると, MAPシグナリングカスケードを介した炎症性サイトカインの産生能が増強されることが分かった。以上より, LPSの病原性中心に対する細胞受容体は機械的変形による影響を受ける可能性が示唆されたが,さらなる研究が必要である。
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