研究課題/領域番号 |
21592618
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
後藤 滋巳 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (60142577)
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研究分担者 |
宮澤 健 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (60301636)
田渕 雅子 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (30418925)
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キーワード | 歯学 / 矯正学 / 歯周病 / 破骨細胞 / 病理学 |
研究概要 |
本研究では、骨代謝自体をコントロールする事で、矯正治療における歯の移動量や移動速度ならびに移動方向が制御可能になるのではないか、また、歯周病予防ができるのではないかと考え、骨代謝のコントロールによる歯の移動実験と歯周病の予防実験を行い、骨代謝の解明ならびに歯周病予防システムの開発を行うことを目的とした。 平成22年度の研究業績として、矯正用ゴムを用いた歯の移動実験を進め、特異的破骨細胞抑制剤の一つであるビスホスホネート投与による歯の移動の抑制について、病理学的検討をおこなった。その結果、ビスホスホネートによって、歯の移動は抑制され、歯槽骨の吸収も抑制された。このことは、高回転型の骨吸収モデルにおいて、骨代謝を正常化させ、移動スピードは落ちるが、異常な歯の移動様式から、骨吸収の少ない正常な移動に改善されることが示唆された。この結果は、2010年度のCalcif Tissue Int誌に掲載された。 また、新たな破骨細胞抑制剤として開発されてきたリベロマイシンAを用い、同様に矯正用ゴムを用いて歯の移動の抑制作用が生じるのかを比較・検討した。その結果、破骨細胞特異的抑制剤であるリベロマイシンAにおいてもビスホスホネートと同様の結果が得られ、閉経後の高回転型骨粗鬆症における歯の移動に、破骨細胞抑制剤がきわめて有効であることが示唆された。この結果については、2010年度の愛知学院大学歯学会誌に掲載された。一方、昨年から引き続き、歯周病予防システムの観察に関しては、マウスの臼歯間に矯正用結紮線を用いて歯周病モデルの作製を行っている。現在のところマウスの臼歯は小さく、手技の確立に難行しているが、実験モデルが確立できるように、今後改良していく予定である。
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