研究課題/領域番号 |
21592619
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
荘司 佳奈子 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (90302158)
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研究分担者 |
篠田 壽 東北大学, 大学院・歯学研究科, 大学院非常勤講師 (80014025)
島内 英俊 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70187425)
村上 忍 東北大学, 大学院・歯学研究科, 大学院非常勤講師 (40436093)
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キーワード | 骨生物学 / 糖尿病 / 実験的歯周炎 / 歯周病と全身疾患の相互作用 |
研究概要 |
糖尿病は全世界で2億5000万人が罹患する生活習慣病であり、そのおよそ95%が2型といわれているが、欧米では肥満を併発することが多いのに比べ、日本人は非肥満型が多いとされている。本研究では非肥満型II型糖尿病の疾患モデルとしてGKラットを、健全ラットとしてWitarラットを用いた。下顎右側第一臼歯の歯肉溝にゴム輪を挿入し(実験側:左側は対照側)歯槽骨を吸収させ、2週間後に屠殺した。その治癒過程において、II型糖尿病が歯槽骨の骨密度変化に与える影響および骨代謝の中心を担う骨芽細胞および破骨細胞機能に与える影響について明らかにしようとした。末梢骨用定量的コンピューター断層撮影(PQCT法)による骨密度測定、組織観察、bone nodule assay、RT-PCR法を用いて調べた。 pQCTの結果より、Wistarラットの実験側の歯槽骨は対照側と同程度に骨密度が回復していたのに対し、GKラットの実験側では対照側に比べ有意に骨密度が低下していた。一方、von kossa染色における骨芽細胞の石灰化ノジュール数および面積はWitarラットと比較してGK:ラットの実験側で有意に増加するという結果が得られた。組織学的所見より、実験的歯周炎を惹起したGKラットの歯周組織でオステオカルシンのmRNA発現、タンパク発現が著明であった。しかし、歯槽骨における破骨細胞の分布およびRANKLのmRNA発現は、実験的歯周炎を惹起したWistarラットで著明であったのに対し、GKラットではほとんどみられなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
東日本大震災により、組織標本作製を行っている実験室が壊滅的被害を受け、立ち入り禁止状態となった期間が半年あった。また、実験により得られた標本も多数損壊されてしまった。そのため、組織を用いた解析の部分で当初の実験計画が遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
組織を用いた解析に重点をおき、研究を進めることとする。
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