研究概要 |
これまで,われわれはDouble emulsion solvent evaporation techniqueを用いたわれわれのPLGAカプセルへのBovine serum albumin (BSA)担持率は、約10%であった。そこで、さらなるタンパク質担持率の向上をめざして、乳化作製に超音波を用い、ポリ乳酸-ポリグリコール酸共重合体(50:50、MW5000)を用い,されには1%マンニトールを加えた1%ポリビニル溶液を用いることにより、担持率を49.4%まで向上させることができた。 本研究の目的は、growth differentiation factor-5 (GDF-5)またはbasic fibroblast growth factor (b-FGF)をBMP-2担持マイクロカプセルに浸漬した2相性作用型再生移植材をこれまでの手法を用いて開発し,骨芽細胞移植による骨再生効果を評価することである。われわれはまず、BMP2のPLGAマイクロカプセルへのタンパク質担持率を向上させることに成功した.BMP-2の従来の改良前Double emulsion solvent evaporation techniqueによる担持率は,0.018%であったが,改良型テクニックでは,37.5%に向上した.BMP-2担持マイクロカプセルから遊離したBMP-2は,in vitroで,前駆骨芽細胞様細胞であるMC3T3 cellのAlkaline Phosphatase活性を有意に上昇させた. 以上のことから,BMP-2担持マイクロカプセルは,骨再生療法に有効な材料になることが示唆された.今後は,GDF-5とb-FGFの両細胞増殖因子を浸漬した2相性作用型再生移植材を用いて動物実験レベルでの骨新生効果を組織学的にあるいは放射線学的に評価していく予定である
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