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2010 年度 実績報告書

歯周病原細菌の硫化水素産生能と歯周病との関係の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21592631
研究機関岩手医科大学

研究代表者

國松 和司  岩手医科大学, 歯学部, 教授 (20170011)

研究分担者 吉田 康夫  愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (10315096)
キーワード硫化水素 / 酵素 / 歯周病 / 口臭
研究概要

本研究は、歯周病原細菌の一つであるFusobacterium nucleatumの硫化水素産生機構を詳細に理解する目的で行われた。従来F.nucleatumは硫化水素産生に関与する酵素としてCdl(Fn1220)だけを有するとされていたが、昨年度の本研究課題において、Fn1220とは異なる新規硫化水素産生酵素としてFn0625を同定し、同酵素を組換え酵素として精製し、その酵素学的性質を解明した。本年度においては、F.nucleatum由来染色体DNAのコスミドライブラリーを作製し、第三の硫化水素産生酵素をコードする遺伝子であるfn1055を同定した。
fn1055のコードするタンパク質をGST融合タンパク質として大量発現させて、アフィニティーカラムに吸着させた後、融合部位特異切断酵素を利用してFn1055のみを精製し、酵素学的な特徴を明らかにした。Fn1055の硫化水素産生能はFn1220とFn0625の中間であった。従来報告のあるβC-S lyaseとは異なり、システイン以外は基質に対して分解能は確認できなかった。
一方、このβC-S lyaseはシステインを基質とした場合、硫化水素の他に副産物としてアンモニアとピルビン酸を産生する。しかしながら、Fn1055はシステインを基質として硫化水素を産生するが、アンモニアとピルビン酸を産生しなかった。HPLCによって、Fn1055はシステインを分解してセリンを産生していることが明らかとなった。また、Fn1055のアミノ酸配列はシステイン合成酵素のそれと高い相同性を示したが、HPLCによってシステインの産生能は検出されなかった。この所見は、システイン産生能を失った大腸菌のシステイン要求変異株の生育実験によっても証明された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Production of hydrogen sulfide by two enzymes associated with biosynthesis of homocysteine and lanthionine in Fusobacterium nucleatum subsp.nucleatum ATCC 255862010

    • 著者名/発表者名
      Y.Yoshida, S.Ito, M.Kamo, Y.Kezuka, H.Tamura, K.Kunimatsu, H.Kato.
    • 雑誌名

      Microbiology-SGM

      巻: 156 ページ: 2260-2269

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Production of indole from L-tryptophan and their effects on biofilm formation by Fusobacterium nucleatum ATCC 255862010

    • 著者名/発表者名
      T.Sasaki-Imamura, A.Yano, Y.Yoshida
    • 雑誌名

      Appl.Environ.Microbiol.

      巻: 76 ページ: 4260-4268

    • 査読あり
  • [学会発表] カテキンによる揮発性硫化物の抑制効果2010

    • 著者名/発表者名
      伊東俊太郎、吉田康夫、須和部京介、國松和司
    • 学会等名
      第53回春季日本歯周病学会学術大会総会
    • 発表場所
      盛岡
    • 年月日
      20100500

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公開日: 2012-07-19  

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