歯周ポケットからの細菌感染によって歯周組織に炎症反応が長期に亘り持続することで歯周組織が破壊される。歯周組織では炎症物質および活性酸素が過剰に産生されている。抗炎症および抗酸化作用を有する物質を用いて歯周炎の進行を抑制する試みがなされている。本研究では、ボスウエリン酸を一ヶ月間経口投与した場合の唾液中の活性酸素および抗ストレスタンパク産生に及ぼす抑制効果を検討した。被験者の唾液中の活性酸素量は低下傾向を示したが統計学的な有意差は無かった。一方、唾液中のコルチゾール値は有意に低下した。ボスウエリン酸は口腔内の過剰な活性酸素やストレスタンパク産生を抑制できる可能性が示唆された。
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