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2012 年度 実績報告書

歯周炎分子標的治療薬のスクリーニングに有効な三次元培養モデルの作成

研究課題

研究課題/領域番号 21592637
研究機関奥羽大学

研究代表者

大島 光宏  奥羽大学, 薬学部, 教授 (30194145)

研究分担者 山口 洋子  日本大学, 歯学部, 助手 (00239922)
研究期間 (年度) 2009-04-01 – 2013-03-31
キーワード生体外歯周炎モデル / 三次元培養 / コラーゲン分解阻害 / 歯周炎原因遺伝子 / 分子標的治療薬
研究概要

適切な動物実験モデルが作製不可能な歯周炎に関して、ヒトの初代培養細胞を用い、世界で初めて「生体外歯周炎モデル」を確立した。このモデルを用いて、重度歯周炎罹患者の歯肉からアグレッシブ線維芽細胞を分離し、GeneChipシステム(日本大学松戸歯学部)およびreal-time PCRを用いて解析した。その結果、歯周炎原因候補遺伝子を2個まで絞り込むことができた。うち一つはチロシンキナーゼ受容体FLT-1をコードする遺伝子であり、低分子キナーゼ阻害剤の効果を試したところ、コラーゲンゲルの分解は顕著に抑制された。
さらに東大呼吸器内科との共同研究で、アグレッシブ線維芽細胞にFLT-1のmiRNAを導入するRNAiを行って、その効果を検討したところ、コラーゲンゲルの分解は有意に抑制され、これらの遺伝子が歯周炎原因候補遺伝子である可能性が高くなった。
侵襲性歯周炎歯肉由来のアグレッシブ線維芽細胞を用いて、GeneChipシステムを用いた生体外(侵襲性)歯周炎モデル5ペアの解析を行った。その結果、侵襲性歯周炎のアグレッシブ歯肉線維芽細胞を含むゲルに3/5以上共通して高発現している遺伝子は69遺伝子、また、3/5以上共通して低発現の遺伝子が107あり、侵襲性歯周炎は成人性歯周炎とは明らかに異なる遺伝子発現パターンによって引き起こされる、異なった病気であるという可能性を示唆することができた。
また農工大大学院との共同研究で、「生体外歯周炎モデル」の残存コラーゲン量だけではなく、コラーゲンゲルの硬さを押し込み試験によるYoung率で評価するシステムを構築した。
アグレッシブ歯肉線維芽細胞と健常歯肉線維芽細胞の相違が、理化学研究所FANTOM5プロジェクトによって解析され、現在論文投稿中である。アグレッシブ線維芽細胞の成り立ち、すなわち歯周炎の原因究明に一歩近づくことができると考えている。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] 歯周炎薬物治療のパラダイムシフト(総説)2013

    • 著者名/発表者名
      大島光宏
    • 雑誌名

      日本薬理学雑誌

      巻: 141 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [雑誌論文] High-frequency low-level diode laser irradiation promotes proliferation and migration of primary cultured human gingival epithelial cells2013

    • 著者名/発表者名
      Kenichiro Ejiri
    • 雑誌名

      Lasers Med Sci

      巻: 未定 ページ: 印刷中

    • DOI

      doi: 10.1007/s10103-013-1292-7

    • 査読あり
  • [雑誌論文] An integrated expression profiling reveals target genes of TGF-β and TNF-α possibly mediated by microRNAs in lung cancer cells2013

    • 著者名/発表者名
      Akira Saito
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 8 ページ: e56587

    • DOI

      doi: 10.1371/journal.pone.0056587

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Characterization of human lung cancer-associated fibroblasts in three-dimensional in vitro co-culture model2012

    • 著者名/発表者名
      Masafumi Horie
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun

      巻: 423 ページ: 158-163

    • DOI

      doi: 10.1016/j.bbrc.2012.05.104

    • 査読あり
  • [学会発表] Super-pulsed Low-level Diode Laser Stimulates Cultured Human Gingival Epithelial Cells2013

    • 著者名/発表者名
      Kenichiro Ejiri
    • 学会等名
      91st General Session & Exhibition of the IADR
    • 発表場所
      Seattle, USA
    • 年月日
      20130320-20130323
  • [学会発表] 低出力半導体レーザー照射が初代培養ヒト歯肉上皮細胞に及ぼす影響

    • 著者名/発表者名
      江尻健一郎
    • 学会等名
      第24回日本レーザー歯学会総会学術大会
    • 発表場所
      神戸
  • [学会発表] FLT-1は歯周炎治療の標的分子となり得るか

    • 著者名/発表者名
      大島光宏
    • 学会等名
      第54回歯科基礎医学会学術大会・総会
    • 発表場所
      郡山
  • [学会発表] 歯周炎治療薬候補のスクリーニングにおける押し込み試験の有用性

    • 著者名/発表者名
      大島光宏
    • 学会等名
      2012年度日本機械学会年次大会
    • 発表場所
      金沢
  • [学会発表] 低出力半導体レーザー照射が培養ヒト歯肉上皮細胞に及ぼす効果

    • 著者名/発表者名
      江尻健一郎
    • 学会等名
      日本歯科保存学会2012年度春季学術大会
    • 発表場所
      沖縄
  • [産業財産権] 歯周炎治療薬2012

    • 発明者名
      山口洋子,大島光宏
    • 権利者名
      日本大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2012-86327
    • 出願年月日
      2012-04-05

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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