研究課題/領域番号 |
21592639
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中村 公也 北海道大学, 北海道大学病院, 助教 (00261313)
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研究分担者 |
出山 義昭 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (80271667)
兼平 孝 北海道大学, 病院, 講師 (90194935)
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キーワード | Toll様受容体5 / 歯周疾患 / 骨芽細胞 / フラジェリン / MCP-1 / OPG |
研究概要 |
わが国では成人の多くが辺縁性歯周炎に罹患している。辺縁性歯周炎は進行すると歯槽骨の吸収を伴う疾患であり、それゆえ発生予防および進行抑制が重要となる。本研究では、これまではあまり注目されなかったものの歯周疾患の進行とともに増加する細菌であるTreponema denticolaが有するフラジェリンに着目し、骨芽細胞に対する作用を調べた。 本年度はフラジェリンの破骨細胞誘導に対する影響を明らかにする目的で研究を行った。マウス骨芽細胞様細胞株MC3T3-E1(E1)細胞にフラジェリンを作用させたところ、破骨細胞形成抑制因子であるOPG mRNAの発現は、処理後6時間において濃度依存的に抑制された。E1細胞にフラジェリンを作用させるとCCケモカインの一つであるMonocyte chemoattractant protein-1(MCP-1;CCL2)が有意に誘導されることが昨年度行った研究により示され、また、E1細胞における(MCP-1の受容体である)CCR2 mRNAの発現も確認できた。そこで、フラジェリンにて誘導されるMCP-1がOPG mRNAの抑制に関与しているか否かを明らかにするためにMCP-1中和抗体を添加し、OPG mRNAの発現を調べた。その結果、骨芽細胞におけるフラジェリンによるOPG mRNAの発現は、フラジェリンのみで刺激したときよりさらに抑制された。また、E1細胞にrecombinant MCP-1を作用させたところOPG mRNAの発現は処理後3時間をピークとして誘導された。 以上より、骨芽細胞はMCP-1を分泌することにより破骨細胞の分化を抑制し、局所における生体防御機構に寄与しているものと考えられた。次年度は、フラジェリン刺激により観察されたOPG mRNAを抑制するものが何であるかを明らかにする必要があると思われる。
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