研究課題
本研究は、口臭を主訴とする口臭症患者を対象として、口臭診療における医療面接や質問票から取得した情報、診療の一環として採取した試料(口腔のガス、唾液、舌苔、歯垢など)並びに診断および治療を通じて得られた検査結果などの情報を用い、それらを分析検討し、口臭症の診断と治療を効果的かつ効率良く行うシステムを構築することを目的とする。平成21年度は口臭症患者の現病歴、既往歴に加え、生活面や心理面を考慮した質問票調査を行い、その情報を分析し、患者像を解明し、学会等で発表した。口臭測定時に口臭の認められる患者と口臭の認められない患者とでは質問票の回答等に違いが認められた。口臭の認められない患者では、より心理面の配慮が必要であることが確かめられた。また、当外来の患者の口気において、口臭の主な成分である揮発性硫黄化合物(VSC)以外にイソ吉草酸や酪酸などの低級脂肪酸も分析したところ、検出率80%以上と、国内外で報告されている濃度および検出率より高いことが判明した。現在、同対象者の唾液や舌苔の細菌検査の結果とVSCや低級脂肪酸との関連性について検討中である。また、口臭の治療や予防に用いられている某マウスウォッシュ(亜塩素酸ナトリウム配合)の口臭抑制効果と唾液中の細菌に及ぼす影響について、臨床試験の結果を論文にて発表した。本研究の目的である治療を効果的に行うシステムの構築の基礎的情報を得た。次年度以降、さらに効果的で効率の良い治療方法を検討するための研究も継続していく。
すべて 2010 2009
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Trials (オンラインジャーナル) 11:14
ページ: doi : 10.1186/1745-6215-11-14