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2009 年度 実績報告書

口腔連鎖球菌の二成分制御系による薬剤排出機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21592653
研究機関九州大学

研究代表者

塩田 進  九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教 (00150467)

キーワード細菌 / シグナル伝達 / 発現制御
研究概要

細菌感染症の治療において重要な問題のひとつは薬剤に対する耐性機構であり、そのメカニズムを理解することは正しい治療を行う上でも重要なポイントとなる。これらの耐性機構のひとつにATPトランスポーターによる細胞外への汲み出しがある。本研究では、S.mutansで分離されたバシトラシン感受性株が二成分制御系に支配されるABCトランスポーターによるものであることを明らかにし、さらにその情報伝達経路を解明することを目的とした。
候補の二成分制御系の構成成分であるレスポンスレギュレーター(RR)あるいはセンサーキナーゼ(SK)の遺伝子の一部をエリスロマイシン耐性のカセット(EMカセット)で置き換えたDNA断片を相同組み換えを利用して、RRあるいはSKの欠損株を作製した。これらの欠損株は予想どうりバシトラシン感受性であった。このうちSK欠損株を用いて、バシトラシン曝露後のABCトランスポーター遺伝子の発現をリアルタイムPCRで検討した。その結果、野生株は薬剤曝露後ABCトランスポーター遺伝子は、転写レベルで100倍以上上昇するのに比べ、SK欠損株では全く変化が見られなかった。
次にRR遺伝子をデーターベースを利用してHisタグを持つ発現ベクター上にクローニングし、大腸菌内で大量発現させニッケルカラムクロマトグラフィーで精製した。この精製RRタンパクとABCトランスポーター遺伝子のプロモーター領域と推定されるDNA断片の相互作用をゲルシフトアッセイ法で検討したところ、特異的に結合することが明らかになった。
以上の結果からS.mutansではバシトラシンの刺激をSKが感知し、RRを介してABCトランスポーターの発現を制御していることが推察された。さらにこれを検証するために多くの二成分制御系のRRタンパクに共通に保存されているリン酸化部位のアミノ酸置換を行った。予備実験でこの変異RRタンパク質は上述のプロモーター領域を持つDNA断片に結合しないことがゲルシフトアッセイで示されている。現在、in vivoでのRRタンパクの機能を確認するため、染色体上のRR遺伝子のアミノ酸置換型変異体を作製している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Streptococcus mutans の二成分制御系によるバシトラシン耐性機構2009

    • 著者名/発表者名
      北河憲雄
    • 学会等名
      歯科基礎医学会
    • 発表場所
      新潟市
    • 年月日
      2009-09-10

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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