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2010 年度 実績報告書

口腔連鎖球菌の二成分制御系による薬剤排出機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21592653
研究機関九州大学

研究代表者

塩田 進  九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教 (00150467)

キーワード細菌 / シグナル伝達 / 発現制御
研究概要

細菌の二成分制御系と連動した薬剤排出機構は抗生物質だけではなく、他の多くの化学物質もその基質としている可能性があり、その正確なメカニズムを解明することは病原微生物の薬剤耐性機構を理解する上で重要である。本研究ではS.mutansで発見されたバシトラシン耐性に関する二成分制御系を検証している。
発現ベクターにクローニングした二成分制御系のヒスチジンキナーゼ(HK)とレスポンスレギュレーター(RR)をHis融合タンパク質として、大腸菌内で発現精製を試みた。膜タンパク質であるHKはinclusion bodyを形成したが、RRは可溶性画分として精製でき、ゲルシフトアッセイでABCトランスポーター遺伝子を含むmbrオペロンのプロモーター領域と特異的に結合することがわかった。
次に、RRとプロモーターの特異的な結合に関与する部位の同定を試みた。PCRを利用した突然変異導入法を用いて、プラスミド上にクローン化したRRの54番目のアスパラギン酸(D)をアスパラギン(N)に置換した変異型RRを作製したところ、これはプロモーターに結合しないことがわかった。さらにin vivoでのこのアミノ酸の役割を検討するために、複製のoriginが高温感受性であるプラスミドを利用して、相同組み換えにより染色体上のRR遺伝子に同じ変異を導入し、変異型RR(D54N)を発現するS.mutansの変異株を作製した。予想どおりこの変異株ではバシトラシンによるmbrオペロンの発現は誘導されず、また野生株に比べバシトラシンに対する感受性が亢進していた。
以上のことからS.mutansのバシトラシン耐性は、HKによるシグナルの感知がRRの54番目のDをリン酸化することでRRのmbrオペロンのプロモーターへの特異的な結合を増強し、ABCトランスポーター遺伝子の発現誘導によるものと推測された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Characterizaition of MbrC involved in bacitracin resistance in Streptococcus mutans2011

    • 著者名/発表者名
      Norio Kitagawa, Susumu Shiota, Yukie Shibata, Toru Takeshita, Yoshihisa Yamashita
    • 雑誌名

      FEMS Microbiology Letters

      巻: 318 ページ: 61-67

    • 査読あり
  • [学会発表] MbrCの54番目のアスパラギン酸がStreptococcus mutansのバシトラシン耐性に関与する2010

    • 著者名/発表者名
      北河憲雄、塩田進、柴田幸江、竹下徹、山下善久
    • 学会等名
      第52回歯科基礎医学会学術大会・総会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(東京)
    • 年月日
      2010-09-21

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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