研究概要 |
本研究は、老化・加齢を促進する因子の遺伝子改変マウスを用いることにより、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の主病態である、上気道の機能障害の発症・増悪の機序を解明し、肥満やメタボリック・シンドロームの発症因子として注目を浴びている、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の発症メカニズムのより詳細な解明を行うことが目的である。 研究期間内に、(1)どのようなメカニズムで睡眠時無呼吸症候群が重症化して行くのかを、また、(2)どのような環境遺伝子が睡眠時無呼吸症候群の発症因子となるかについて、主に老化・加齢促進因子を標的として遺伝子改変マウスを用いることで,明らかにしていく計画である。マウスの自発呼吸下で呼吸流量と圧の測定が可能で、上気道の開通性を維持する上気道開大筋の筋活性を残存させた状態で測定できる。このモデルを用いて、老化・加齢を促進する因子を調節する、以下の4つの遺伝子改変マウスを用いて、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の発症メカニズムを検討する。(1)レプチン・グレリン代謝異常マウス、(2)早期老化マウス(活性酸素排出酵素欠損)、(3)成長ホルモン・性ホルモン異常マウス、(4)睡眠調節障害マウス(メラトニン欠損マウス)。 初年度の21年では、実験機器の設置が終わり、次年度の22年ではマウスの実験に先立って、同じ実験装置を用いて兎の上気道の予備データを収集して、測定系の確立に目処が立った。最終年度の23年には、最終目標である正常マウスの上気道を用いた、上気道開通性の検討について本格的な実験に入っているが、マウスの上気道の測定系の再現性において問題が生じ、現在、改良型の解析系を構築中である。
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