研究課題/領域番号 |
21592661
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
松久保 隆 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (90112804)
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研究分担者 |
杉原 直樹 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (00246349)
須山 祐之 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (10163065)
古賀 寛 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (00266561)
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キーワード | 食育 / 生活習慣病 / 齲蝕 / 齲蝕原性菌 / 食品受容応答 / 学齢期 / 食生活 |
研究概要 |
本研究は、学齢期の生活習慣病と「口腔機能の発達、維持と増進」との関連性を追究し、学校保健における食育の意義ならびに口腔機能の維持と増進の役割を位置づけることを目的としている。 H21年度の解析は、2008年度に行った結果(総数:1,525名(小学生:825名、中学生:700名)について、(1)う蝕の有無と齲蝕原性菌のレベルに関連する要因の解析、(2)食品の受容応答に関連する要因についてロジスティック解析を行った。 (1)う蝕の有無と齲蝕原性菌のレベルに関連する要因は、朝食の欠食(オッズ比:1.71)、就寝前のおやつ(1.62)、歯肉炎(1.58)、S.mutansの検出(1.58)、乳酸桿菌の検出(1.14)であり、S.mutansの検出に関連する要因は、定期的な歯科健診をしない(1.35)、就寝前の清涼飲料水の摂取(1.58)、清涼飲料水の摂取(1.27)、歯肉炎(1.43)であった。また、乳酸桿菌の検出に関連する要因は、高頻度の間食(1.33)、昼食後の歯磨きをしない(1.60)、生活習慣病の知識が無い(1.29)、歯肉炎(1.51)、混合歯列(2.11)であった。 (2)食品の受容応答(食べられる食品の多さ)に関連する要因は、生活習慣病の知識が無い(1.68)、食べ物を水などで流しこんで食べる(1.36)、食べかたがうるさい(1.72)、よく噛むように家族に注意される(1.71)、食べる時間が(給食)友人より遅いか速い(1.39)、混合歯列(1.54)、咬合力が小さい(1.80)であった。 これらの研究結果から、小中学生のう蝕の有無やう蝕原因菌の検出に食習慣が大きく関連しており、小中学生での食育の推進には学齢期の齲蝕予防に大きく関与することが示された。また、学齢期の食べられる食品の多さには、口腔の咬合状態が関与していることが示唆された。
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