研究課題
基盤研究(C)
本研究は、学齢期(学校歯科保健)における食育の推進に口腔に関連した要因がどのように関連しているかを検討することを目的とした。また、医師会が行った生活習慣病リスクに口腔に関連した要因がどのように関連しているかについても検討し、次の結果をえた。(1)う蝕有病に関連する要因は、朝食の欠食であり、歯肉炎の有無(口腔清掃状態と関係する、ついでう蝕原因菌であるS. mutansとLactobacilliのレベル、歯列不正、就寝前の飲食などであった。(2)生活習慣病のリスクは、運動が嫌い、朝食の欠食、S. mutansレベル(10^5以上)であった。S. mutansレベルが関連しているのは、食生活の乱れを示していると考えらた。(3)小学校4、5年生の食べられる食品の多さに関連する要因(食品受容応答)は、保健行動に関連する知識(生活習慣病の知識、朝食(欠食)、フッ化物配合歯磨剤を使用、歯科医院での歯口清掃指導の有無)や習慣と口腔内の機能的な状態である唾液分泌速度や咬合状態が関連していた。検討したすべての項目で朝食の欠食が強く関連する要因であることが示された。これは規則的な食習慣は、う蝕のみならず、生活習慣病のリスクを大きく下げることを示唆するもので、学校保健活動における食育の重要性を示すものと考えられた。
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