• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

口臭原因物質による破骨細胞誘導と歯槽骨吸収:その分子機構解析

研究課題

研究課題/領域番号 21592667
研究機関日本歯科大学

研究代表者

今井 敏夫  日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (90120617)

研究分担者 八重垣 健  日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (40166468)
キーワード口臭物質 / 硫化水素 / 破骨細胞 / シグナル伝達 / PKC / c-Raf
研究概要

我々の一連の研究は口臭原因物質である揮発性硫黄化合物の歯槽骨に対する作用メカニズムの解明することを主目的とする。既に揮発性硫黄化合物である硫化水素は破骨前駆細胞から破骨細胞への分化機構を促進し、そのシグナル伝達にMAPK(ERK1/2,p38)が関与していることを明らかにした。そこで、さらにその関連シグナルを探索した。破骨細胞RAW264に低濃度(1~10^<-5>mM)のNaHSを曝露させ、細胞内シグナル伝達物質のリン酸化をウエスタンブロティング法にて評価した。TGF-βファミリーであるSmad2/3のリン酸化はNaHS曝露群と非曝露群との間で顕著な差異は認められなかった。NFATc1ならびにβ-Cateninにおいても同様に両群間に顕著な差異は認められなかった。一方、MAPKのシグナル伝達の上流域であるPKCでは、1mM NaHS曝露でリン酸化が抑制されたが、10^<-2>mM NaHSでは対照群に比べリン酸化が促進され、10^<-3>~10^<-4>mM NaHS曝露でリン酸化の程度がピークに達した。さらに、NaHS曝露によりPKCのリン酸化は時間依存的に促進された。次にNaHS曝露によるPKC活性とERKが関連しているか否かを検討した。PKCとERKに関連するc-Rafのリン酸化はNaHS曝露によって有意な誘導が認められた。PKCインヒビターGF109203Xで前処理した後、NaHS曝露させたところ、PKC、c-RafならびにERK1/2のリン酸化はGF109203X未処理に比べ顕著に抑制された。これらの結果は、NaHSによる破骨細胞の分化誘導はPKC、c-Raf、ERK1/2の細胞内情報伝達経路が重要な役割を担っていることを示している。本研究は口臭原因物質(硫化水素)による破骨細胞の分化誘導のメカニズム解明に新知見を与え、今後の口臭原因物質による歯槽骨吸収の予防法の確立に寄与する。

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi