研究課題/領域番号 |
21592669
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
今井 奨 鶴見大学, 歯学部, 講師 (80072958)
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研究分担者 |
花田 信弘 鶴見大学, 歯学部, 教授 (70180916)
野村 義明 鶴見大学, 歯学部, 准教授 (90350587)
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キーワード | バイオフィルム / デキストラナーゼ / ムタナーゼ / キメラ酵素 / ドメインシャッフリング |
研究概要 |
ミュータンスレンサ球菌のバイオフィルム形成に最も強く関与する非水溶性グルカンの主要結合であるα1,3-結合を分解するムタナーゼの遺伝子を探索し、Paenibacillus humicusからムタナーゼ遺伝子をクローニングした。一方、S.mutans UA159株からデキストラナーゼA(dex A)遺伝子をクローニングし、両遺伝子を同一ベクター内でドメインシャッフリングにより連結して大腸菌に発現させた。この大腸菌を培養後、遠心分離により上清と沈渣に分画し、沈渣をクラッシャーで機械的に破壊したのち、遠心分離した(上清をLysate-1とする)。この沈渣にQproteome^<[○!R]> Bacterial Protein Prep Kit(QIAGEN)を用い、タンパク質を可溶化させ遠心分離した(上清をLysate-2とする)。さらに、沈渣にInclusion Body Solubilization Reagentを加え、封入体の破壊を行い遠心分離した(上清をLysate-3とする)。得られたキメラ酵素の各画分をカルボキシメチルムタンおよびデキストランと反応させた。各画分の酵素活性をSomogyi-Nelson法を用いて比較すると、培養上清、Lysate-1、Lysate-2で活性が認められ、細胞内に可溶性タンパクとして存在するものが一番多いことがわかった。デキストラナーゼ活性の至適pHは5をピークに4~5.5で、ムタナーゼのそれはpH4~6.5の広いピークであった。キメラ化したことで、ムタナーゼ活性、デキストラナーゼ活性を消失することなく、両酵素の性質を保つことが確認できた。今後はミュータンスレンサ球菌のバイオフィルムの形成と分解に対するキメラ酵素の有効性を検証する必要がある。
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