研究課題
ソーシャル・キャピタルと口腔の健康要因に関する研究では、総務省が発表した平成18年社会生活基本調査から、ソーシャル・キャピタルの指標として用いることの出来る、趣味・娯楽、スポーツ、ボランティア活動・社会参加活動、交際・付き合いの都道府県別行動者率、実施時間のデータを得た。また、1歳6か月児、3歳児のう蝕罹患状況について厚生労働省のデータより得て、5歳児、12歳児のう蝕罹患状況を文部科学省のデータより得て、これらの関連を分析した。その結果、趣味・娯楽、ボランティア活動・社会参加活動の参加率、平均参加時間が長い、活動が活発な県ではう蝕の罹患が低い傾向がみられた。これらの結果について、論文の執筆を進めている。また、研究協力者であるロンドン大学のSheiham教授から、社会的な要因のみでなく生活習慣や疾病相互の関連性などの要因についても検討を加える必要性が指摘されたことを受けて、疾病間の関連性についての探索を行った。その結果については国際誌へ掲載されている。第60回日本口腔衛生学会では、本科学研究の中間報告と位置づけ「口腔の健康づくりと健康づくりの概念」のテーマで自由集会を主催した。この中では、共通生活習慣手法やライフコース疫学、サルトジェニック(健康創造)、ソーシャル・キャピタル、健康の格差などの健康づくりを進める上で今後重要となると考えられる概念についての現状とこれらの概念をどのように研究に応用するかについて、5名の研究者による報告や意見が述べられ、フロアの研究者との議論を行った。インターネットによる調査のデータについても分析を進め、その一部について報告を行った。
2: おおむね順調に進展している
社会生活基本調査から、ソーシャル・キャピタルの指標として用いることの出来る、趣味・娯楽、スポーツ、ボランティア活動・社会参加活動、交際・付き合いの都道府県別行動者率、実施時間のデータを得、これらのデータを分析し、関連性を得ている。また、インターネットによる調査を成功させている。これらの結果について、昨年度、今年度と国内外の学会で報告をしており目的達成に向けて進展している。
今後は研究計画に従い進める。ただし研究協力者であるロンドン大学のSheiham教授から、社会的な要因のみでなく生活習慣や疾病相互の関連性などの要因についても検討を加える必要性が指摘されたことを受けて、疾病間の関連性についても探索を進める。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)
Journal of Dental Research
巻: Vol.91 ページ: 161-166
DOI:10.1177/0022034511431583
食生活研究
巻: 31 ページ: 43-50
http://morita.agu.jp/8020/