研究課題/領域番号 |
21592679
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
浅野 美礼 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (00273417)
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研究分担者 |
川口 孝泰 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40214613)
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キーワード | 看護診断 / 看護過程 / 検索エンジン |
研究概要 |
この研究の具体的な目的は、「看護過程エンジン」を考案することである。I(標準看護計画検索システムの検討と評価)、II(ロボット型エンジンの仕様作成と動作検証)、III(看護過程エンジン試作モデルの試用と評価)まである全体スケジュールのうち、昨年度に続いて本年度もフェーズIIに取り組んだ。ロボット型エンジンの仕様とは、情報を検索する規則と、情報群の各データを並び変える一定のルールをアルゴリズムおよび計算式を記述することである。 検討中の仕様の概要は次のようなものである。(1)格納されているデータベースは、主観的情報として頻用される文言、客観的情報として一般に利用される検査項目やバイタルサインズ、看護問題などを全射の状態で(各々1対1のリンクを作って)持っている。リンクには、基準スコアが設定されている。(2)使用者は、主観的情報・客観的情報を、その区別にとらわれることなく、テキストで入力する。(3)エンジンは、入力されたテキストからテキストマイニングを利用してキーワードに分解し、データベースと参照する。(4)データベースに存在するアセスメント候補を取り出し、キーワードとアセスメント候補とのリンクのスコアに応じて順位を設定して使用者に提示する。(5)アセスメント候補に使用者が満足がいかない場合には、アセスメント候補の順位変更に影響があるキーワード候補の入力を使用者に促す。(6)使用者が利用したキーワードと採択したアセスメント候補の各リンクについて、そのスコアを増加させる。以上のステップによって、キーワードから連想されるアセスメントが多様化するとともに、期待される関連の強さの順位の精度を上げることができる。このことにより、使用者が入力するデータを蓄積しながら出力結果を動的に変化させ、例えば病院や病棟ごとに特色のあるケアを表現したり、患者個別性の高い計画を出力できると期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
検索エンジンアルゴリズムの概念は概要に示した通りであるが、臨床で実際に用いられるような実データの搭載が進んでいないので、例えばスコア計算により出力されうるアセスメントと臨床の感覚との比較する、などといった妥当性の検討ができていない。
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今後の研究の推進方策 |
スケジュールに遅れは出ているが、計画の内容に変更は予定していない。臨床のデータについては、看護学実習を履修する学生に説明と同意を取った上で、実習記録を活用することを検討する。
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