平成21年度は、呼吸瞑想法、睡眠衛生教育による睡眠改善効果について基礎研究を実施した。健常成人を対象に、呼吸瞑想法を実施する対象者(実験群1)と睡眠衛生教育を実施する対象者(実験群2)に対して、呼吸瞑想法および睡眠衛生教育を実施しない対象者(対照群)を無作為に振り分け、睡眠改善効果について検討を開始した。倫理的配慮として、事前に研究の趣旨・目的、協力内容等について口頭ならびに文書にて十分な説明を行い署名による同意を得た。なお、本研究は群馬大学医学部疫学研究に関する倫理審査の承認を得てから実施した。実験手順は、対象者に対して睡眠質問紙票に回答してもらい、実験参加期間全8週間のうち前半4週間睡眠日誌の自己記入を求めた。次に、実験開始日から連続2夜実験室に宿泊してもらい、夜間睡眠中の脳波測定および心電図測定と約一週間の活動量を測定した。実験室で過ごす日は、禁酒および就寝予定時刻の4時間前からカフェイン摂取を避けるよう指示し、それ以外は普段どおりに過ごさせた。以後4週間にわたり、実験群1に対して1日約15分間の「呼吸瞑想法」の課題を実施させ、実験群2に対して「睡眠教育ハンドブック」を用いて睡眠教育を実施させた。実験開始4週間目に再度2夜連続実験室に宿泊してもらい、夜間睡眠中の脳波測定および心電図測定と約一週間の活動量を測定した。最後に、4週間のインターバルを得てから睡眠質問紙票に回答させて実験終散了とした。平成22年度も引き続きデータ収集を行い、研究結果については今後報告する予定である。
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