研究分担者 |
上原 佳子 福井大学, 医学部, 准教授 (50297404)
佐々木 百恵 福井大学, 医学部, 助教 (00422668)
北野 華菜恵 福井大学, 医学部, 助教 (60509298)
礪波 利圭 福井大学, 医学部, 助教 (10554545)
淺川 久美子 福井大学, 医学部, 兼任教員 (10614430)
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研究概要 |
本研究では,看護診断を導くまでの3つの過程である,(1)診断指標判断能力,(2)関連因子/リスク判断能力,(3)看護診断ラベル決定能力に焦点をあて,それぞれの過程における看護師・看護学生の能力育成方法を明確にすることを目指し,研究を進めてきた。 昨年度より継続して,個々の事例によりみられる症状や徴候が異なるため判断が難しい心理・社会的領域の看護診断に焦点をあて,実際の事例を分析することでその正確性を明確化することに努めた。加えて,臨床看護師の心理・社会的領域の看護診断能力と知識度を明確にする事で,今後の看護診断に関する教育方法の指針を検討することを目指し,本学倫理審査員会の承認を得た上で研究を進めた。 また、本年度は、看護診断に関する教育介入を実施した後、映像による模擬事例に対する看護診断に関する調査を行った。その結果、100名の看護師より同意が得られ、集団留置法で映像による2つの事例に対する看護診断と診断指標および関連因子に関する回答を得た。対象者の平均年齢は40歳、平均臨床経験年数は6年であった。回答内容は事例1に対しては多くの対象者が同様の判断をしていたが、事例2では様々な種類の看護診断が挙げられた。看護診断の本来の目的は、患者に係わる全ての看護師がその患者のもつ健康問題を共通理解することにあるが、実際は看護師の臨床判断にはばらつきがあることが明らかになったと言える。対象となった看護師は、看護診断の教育を受けている者であったが、このように臨床判断力に違いが見られたことから、今後も継続した教育介入を行い、看護診断における能力の向上過程を調査する必要がある。
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