1. セミナー開催 初年度は、まず、研究フィールドであるマホソト病院、セタチラート病院、保健科学大学看護学部においてセミナーを開催して前研究で協働開発した「発展途上国を対象とした感染看護教育プログラム」についての説明と本年度の院内感染の調査結果を発表した。参加者は病院では副病院長、院内感染対策チームの医師、看護部長、看護師長で、大学では看護学部長、看護教員、学生等であった。この教育プログラム開発の経緯と内容について説明し、教育・実践への応用を確認した。教育プログラムの中のスタンダードプリコーションについては、グリッターバグ(UVライトと専用ローションによる手指洗浄技術の評価用機器)を用いたデモンストレーションを実施した。セミナー参加者らは普段実施している手指洗浄技術の不十分さを再認識する機会になった。さらに、本年度の院内感染の調査結果を報告して問題点を討論した。多くの質問があったが、今後、ビエンチャン以外の医療施設における調査ができるかについて意見があり、ニーズの高さを再認識した。 2. 病院関係者との協働による院内感染に対する委員会の設置 副病院長、院内感染対策チームの医師、看護部長、看護師長等とセミナー後に検討した。「感染看護教育プログラム」の応用についても意見を交換した。 3. 感染源別院内感染調査の継続 4. 院内感染調査の結果に基づいて下記の項目について重点的に行うことをセミナー後で確認した。 1) 手指衛生について:手洗いの効果をグリッターバグで行っていく。 2) 手術創の清潔について:手術前の消毒、術後の消毒に関する留意 3) 血管内留置カテーテル感染防止:使用期限の確認、実施前の手洗いや穿刺部位の消毒の徹底、刺入部位の観察 4) 膀胱留置カテーテルの感染防止 その他 5)痰や分泌物の吸引が行われている患者の感染予防 本年度は、計画していた実践状況のビデオカメラによる撮影は先方の都合により実施できなかったので、次年度に計画する。
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