現地に出向き、感染源別院内感染調査結果の共有と「感染看護教育プログラム」の評価に関する質問紙調査を実施した。また、今後も協働関係を継続することを確認した。具体的な実績は以下のとおりである。 1.感染源別院内感染の調査を継続し、感染看護教育プログラムの効果を評価した。 1)感染兆候がみられた場合は、引き続き検体(膿、尿、痰)を採取して、ラオス臨床検査疫学センターで微生物学的検査を行い、起炎菌の同定を実施した。 2)微生物学的検査結果を基に、感染状況のデータを整理した。 3)感染状況のデータをラオスの病院スタッフと検討し、院内感染の現状を評価した。 4)上記1)、2)、3)の結果、ターゲットにした細菌の分離は昨年度より減少していた。しかし、検体採取件数も減少していたことから、職員に検体採取の重要性を再認識してもらうために検体採取に関するポスターを作成し、各病棟に掲示した。 5)「感染対策教育プログラムセミナー(2010年3月)」において推奨した感染対策の問題点を検討した。 6)感染源別院内感染の調査から感染対策の実施状況を総合的に評価した。ターゲットにした細菌の分離が減少していたが、手洗い確認器による実践状況を確認した。 2.「感染対策教育プログラムセミナー(2010年3月)」で示した「スタンダードプリコーション」の実施状況について質問紙調査を行った。 1)手指衛生について 2)手術創の清潔について 3)血管内留置カテーテル感染防止について (1)使用後の清潔保管と使用期限の確認(2)実施前の手洗い徹底(3)穿刺部位の消毒の徹底(4)刺入部位の観察 4)膀胱留置カテーテル感染防止について 5)痰や分泌物の吸引が行われている患者の感染予防について 3.ラオス国側の協力者とともに第43回Asia-Pacific Academic Consortium for Public Health(韓国ソウル)で発表した。
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